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COMINGUPひーろー




約1万年前年前に遡る

地球へとUFOに乗ってきた毛むくじゃらの宇宙人が住んでいるのは地球の衛星である月の裏側だ


月の裏側は地球よりも発展していた


当時16歳であった、男(宇宙人)は雪が降り積もる村に住んでいた


「お母さん…お腹空いたよ…街に行ってみたいよ…」


「街は危険なのよ!今世界は戦争をしているの!私たちはここに居ることをバレてはいけないの。わかった?」


「う、うん…」


「ほら、ルーシーと遊んできなさい」


男はトロボット族の若い村人だった


男が住んでいる星の中でも、極めて戦闘能力が高い種族とされていて、体毛により吹雪の中でも快適に過ごすことができたり、あらゆる攻撃を防げるとされている


それに対して性格は極めて優しく戦いを嫌っていた


「お兄ちゃん!今日は何して遊ぶ?」


宇宙人の妹であるルーシー(10)は健気に兄を遊びに誘っていた。トロボット族の村には、約20人程度の超少数の村だ

若いもの達はこの兄弟以外に居ない。必然的に、遊ぶ相手も絞られてしまうのだ


「なぁ、ルーシー?俺の願いを聞いてくれるか?」

宇宙人は少し真剣な顔をして妹へ聞いた


「ん?お兄ちゃんが、そんな顔するの珍しい…なぁに?」


「…街に行ってみないか?」


「え!?でも、お母さんがダメって言ってるよね…?」


「あぁ、でもだからこそ行ってみたいだろ?」


「も、もちろん行ってみたいけど…私たちトロボットは()()()()()()だよ…」


「ルーシーが行かないなら、俺一人で行くさ…」


そう言い、宇宙人は吹雪の中、街の方角へと歩き出した


「待って!私も行くよ〜!!」


ルーシーも、小さい体で兄に着いていくことにした


2人は何時間もかけ、やっと街へと着いた


街は宇宙人の想像通り、栄えていた

建物は優に100階を超えていた。街はネオンに照らされ、空飛ぶ車のような物もあった。


「お、お兄ちゃん…凄すぎるよ…!!情報量が多すぎて頭がパンクしちゃいそうだよ」


「本当にすごいなぁ…やっぱり、お母さんの言ってたことは嘘だったんだ!ここが危険な訳ないじゃないかぁ」


2人はそのまま、街を歩いていた。


空を横切る車の間を、閃光のような銃弾が走り抜けた。

しかし二人の耳には届かない。あまりに街の音が大きすぎたのだ。


宇宙人の惑星は、今核戦争中であった。

今若い者達は戦争の兵士として戦場へとかき集められていた


ワクワクしながら街を歩く2人を高層ビルの屋上から見ている男がいた。


「やっと姿を現してくれたな…伝説と言われていたが、やはり存在したか。体毛を鎧にして戦う不動の戦士―トロボット…」


ルーシーと宇宙人はキラキラ光る街並みを歩いていた

まるで、テクノポップのような。1999年に人間が思い描いた未来そのものだった


「あら?そこの坊ちゃんとお嬢ちゃん、遊んでいかないかい?」

と、タキシードを着た男の人が宇宙人に話しかけてきた


「何のお店ですか…?」


「ふふ、ここは娯楽施設のシップ〜羽衣ハゴロモ〜だよ。さっ、入って入って〜」


2人は嫌悪感を抱いたが、押しに負けて入ることにした


〜数時間後〜


時間は朝方の4時を回っていた


「おきゃ…お客様!!起きてください!もう閉館時間でございます!」

2人は羽衣で遊び尽くして寝てしまっていた。


「むにゃむにゃ…もう食べれないよ…」


「早く起きてください!こちらお勘定でございます」


「分かりましたぁ…えぇっと…いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅ…!って」


ルーシーは伝票を寝ている兄に渡しながらこう言った


「お兄ちゃん!起きて!こんなに大金…払えないよ…」


「んん…安心しろぉ、一万円持ってきたんだからよー…って、高っ!?」

兄弟が見たのは35万2000円と書かれた伝票であった


「お支払いをしていたがない場合は…怖い人が来ますよ…?」

ウェイトレスは今までの優しい顔の面影は消えて、般若のような顔をしていた


伝票を見たが、明らかにおかしかった

「だっ、だって水が10,000円なんておかしいじゃないか!」

と、宇宙人が反抗したが、奥から強面のスーツの男達が出てきた


「お兄ちゃん…怖いよぅ…」

ルーシーは今にも泣きそうだった


そんなルーシーを見て、男達はニヤニヤしていた


「払えないんだったら…わかってるよなぁ?」


「くっ…」


宇宙人が唇を噛んだ--その時


「パリンッ」と窓から誰かが入ってきた


「だ、誰だおめえ!ぐっほ--」

強面のやつは入ってきたやつに、殴られ倒れてしまった


「子供にまでぼったくりをするゲス野郎は俺っちが殺してやる!」

と、決めポーズのようなことして、次々と強面達を倒していった


「さぁっ、行くぞ!少年、少女よ!!」

と謎の男は宇宙人達を背負って、割った窓から出ていった


「あ、ありがとう!」

三人はそのまま近くの公園へと向かった


「俺は趣味でひーろー活動している者だ!名をエースと呼ぶぞ!」

腰に手を当てて、ドヤ顔で宇宙人を見ていた。見た目は同い年か年下に見えた


「まじで死ぬかと思ったよ〜ありがとうな!エース!」

と、兄弟が言うとエースは嬉しそうに顔を隠した


「…当たり前だ!それより、なんであんな店に入ったんだ?あんなの詐欺に決まってるだろ?」


「じ、実は、昨日初めてこんな都市に来たんだ。」


「ほう。つまりは、今の都市の状況も知らないと言うことだな」

そのまま続けた


「今、世界は戦争をしているんだ。主に私たちが住んでいるこのアリメカとルシアが戦っている。金は全く無くてな…私の兄も、先週戦場へと向かったよ…」


「そうなんだ…(お母さんが言っていたのは間違ってなかったんだ…」


「ところで、ここに来るのは初めてらしいが…どこから来たんだい?」


「僕たちは、北米の方に住んでいるんだ!僕たちは珍しい種族で…」

と、宇宙人が喋っているとルーシーが口を塞いだ。そして耳元で囁いた


「お兄ちゃん。それは言っちゃダメってお母さんに言われてるでしょ?」

トロボット族は、伝説と呼ばれているほど、強大な力を持っているとされている。


そうもあって、仲が良くなったとしても、自分がトロボット族なんてことは言ってはいけないのだ


宇宙人は黙っていた。なにかエースとの関係が消えてしまうのではないか、そう思った


エースは、2人の顔を見て()()()に思った

「何か言えないことでもあるのかい?」


「ごめんね…」

三人の間には奇妙な空気が流れていた。そんな空気を嫌がったのかルーシーは蛇口の方へと走った


「喉でも渇いたのかー?」

と、宇宙人が聞くとルーシーは、蛇口に口を当てず、徐に親指を押し付けた

その瞬間、水が霧状になってエース達の方に飛ばしてきた


「冷た!何してんだよ〜!ルーシー」

と、ルーシーの方へ、宇宙人が行こうとすると---


「バタンッ」

エースはその場で倒れてしまった


「大丈夫か?!」

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