第三次世界大戦
アリメカ大陸のどこかの地下駐車場にて
「カール!アリメカの軍基地にある僕のカメラが破壊された!!最後の映像から大きな爆発があったみたいだよ!!どうする!?」
「なんだと…?!まさか戦争が勃発したのか!?行くぞ!!我ら反乱軍!!戦争を止めるべく。」
ルシアの首相官邸
「ファウエー様!!アリメカの軍基地にて大爆発が起こった模様です!!」
「私たちではないものからの攻撃…?妙だな…至急アリメカへ向かうぞ!!」
ゼノムがいるルシアの刑務所にて
「警報が鳴りやまねぇな…?戦争の始まりか…俺ら神の落とし子を抜きに戦争なんてしてられるかよ!!俺も混ぜろ!!アリメカ!!」
刑務官の服を着た隻眼の男は勢いよく部屋を飛び出した、その右手には紫色の熊の人形のようなものがあった
そんなルシアにも被害が出るのは思いのほかすぐだった
アラリックが呼び出した戦闘ロボット群〈ケルベロス〉は、都市の瓦礫の上を走り抜け、金属の爪で敵影を探していた。
上空では戦闘機〈ヘカトン〉の編隊が超音速で飛行し、空気を裂くたびに雷鳴のような衝撃波を街に叩きつける。
だが、それ以上の脅威が地表を揺るがしていた。
チャーの生物兵器――オメガ・ティラノ。
咆哮とともに一歩踏み出すたび、アスファルトが蜘蛛の巣状に割れ、地面が陥没する。
鱗は鋼鉄より硬く、呼吸に混じる生体ナノスモークが周囲の空気を腐食させる。
「さあ、アラリック!」
瓦礫の上に立ちながら、チャーは狂気じみた笑みを浮かべた。
「“神が存在する”というなら――貴様の神に、この暴走を止めてもらうがいい!!」
アラリックは血の代わりにオイルを流しながら、腕を上げた。
その動きに呼応し、遠方の山脈が震える。
「神に頼るまでもない。
私は、神の声を聞いた者として――
神の意思を、人類に証明する!」
山が裂け、巨大な影が現れた。
全身に砲塔が並ぶ超重機兵〈バビロン・ウォーカー〉。
歩くだけで地形を変える機械の巨神。
その一歩で、ビルが砂のように崩れた。
戦場を中心に、自然が悲鳴を上げていた。
大地は割れ、都市は崩壊し、海岸線が変形する。
衛星軌道にある観測ステーションから見た世界は、まるで巨大な傷跡が走る怪物のようだった。
「これ以上は――」
どこかで、誰かが叫んだ。
しかしその声は、轟音の中に飲まれた。
ロボットと獣が互いを噛み合い、粉砕し、火花と血が混ざった液体が降り注ぐ。
自然界の生物たちは逃げ惑い、国家の軍隊は近づくことすらできずに崩壊していった。
アラリックは、炎の中で叫ぶ。
「見ろ!
ロボットは壊れても壊れても再構築し、
思考と戦術を進化させ続ける!
これこそが――神が私に求めた未来だ!」
チャーは、粉砕されたビルの上に立ち、獣を呼び寄せる。
「違う!!
生物こそが神に近い!
神が創ったのは“生命”だ!
ならば生命こそがこの世の真理だ!!」
その瞬間――
天地が裂けた。
〈バビロン・ウォーカー〉の全砲門が開いたのだ
山のような影が、空を覆う。
対して、オメガ・ティラノが空へ向かって跳躍した。
体長数十メートルの獣が、戦闘機編隊を引き裂きながら飛ぶ姿は、もはや神話の怪物そのもの。
「撃てええええええッ!!!」
アラリックの叫び。
「食い破れえええええッ!!!」
チャーの咆哮。
ーーー「そこまでじゃ。」ーーー
戦場はこの男の声で時が止まったかのように、静止した
その場の者たちは、一種の催眠のように動くことができなかった
「お、親父…なんの用だ!!」 「ロムルス大統領…!」
ロムルスの体は、いつもの白衣ではなく、体が木そのものに代わっていた
木に変わり果てた両手で二人の暴君の体を抑えた
「貴様ら…身内の争いで、自国を滅ぼす気か…!!」
ロムルスは辺りを見渡した。
「自国民の悲鳴が聞こえんのか…!馬鹿な行動をやめろと言ったろ?アラリック!」
アラリックを縛る樹がより強く巻き付いていくのが見えた
「うるせぇ…あんたもチャーも神を馬鹿にするんだろ?」
「神を馬鹿にするか…」
「私は一度死んだ後、またこの世に戻ることを拒んだ。しかし、太陽が目の前に現れたのだ。」
そう言うアラリックの目は、光輝いており、何か神々しいものを感じた
「太陽…?」
「神はもう一度、我ら人類に猶予を与えた。そして、私はそのバトンを受け取ったのだ!
今こそ月面人を滅ぼし、新たな生命、地球人を誕生させるのだ!!」
「お前…まるで本当に父親を見ているだ…」
ロムルスは震えながらそう言った
「は…?」
アラリックは父・ロムルスを睨んだ 「どういう意味だ…?」
「……お前たちは知らぬだろう。
この月が辿ってきた、本当の歴史を。」
ロムルスの木の身体が微かにきしむ。戦場の空気が静まり返る。
「私たち月面人の戦争の過去を…」
「もちろん、領土を求めたアリメカとルシアの戦争だろ?」
「いいや、違う。私たちは互いに国がない時から、ある者との戦争を続けてきた」
「それは…?」 「それは神との戦争だ…」
「神との戦争…?」
「一度目の戦争は、神と我ら“神の落とし子”との戦いだった。
かつて、神はこの月に七人の生命体を創った。
我らは神から直接つくられた者――
神の落とし子だ。」
「それがロムルス大統領や、反乱軍の奴らの力の理由か…」
チャーは何かが腑に落ちたように呟いた
「つまり、親父の父親は神なのか…?」
アラリックはその事実にショックを隠し切れなかった。そんな様子を無視するかのようにロムルスは続けた
「最初、我らは神を畏れ、敬っておった。
だが――」
木の手が地を叩く。
アラリックもチャーも息を呑む。
ロムルスは続けた。
「月面人たちは強欲にも、神を“超える”ことを望んだのだ。」




