4:初めての戦闘(コンバット)
『~っ!』
飛び起きた俺は辺りを見渡す。
『は~・・・。やっぱりその異世界って所か・・・』
言うまでも無いだろう。俺は知らぬうちに能力をもらい、天使に色々と言われた後、ここに強制的に来たわけだ。
(・・・いや、突き落とされた、と表現する方が正しいか。)
―聞こえますか?-
!?・・・はい、聞こえてます。
―先ほども言ったとおり、私は今、念話で話しています。-
あー・・・はい、なんとなく分ります。
で、何ですか?
―いや、いろいろと細かい説明を・・・と思ったのですが、そうもいきませんね。-
?どういうことですか。
―『炎』の能力者が来ます!-
と、天使さんが言った途端、俺の目の前を何かが通り過ぎた。
そして、その飛行物が飛んでいった方向から、激しい爆発音。
「へへーん!よう!お前は・・・『光』の能力者だな。俺は樋野 炎!名前の通り、『炎』の能力者だ!」
・・・うるさい。
よくしゃべる奴だ。そんなにしゃべりたいか・・・
そいつは身長150ぐらい、服装はラフな格好なんだが・・・髪が赤い。
「さて、俺が名乗ったんだからお前も名乗ったらどうだ」
『播磨 光。お前が言ったとおり『光』の能力者だ」
「どっちも名乗ったし、行くぞ!【炎よ、飛べ!】」
そいつが何か言った途端に、そいつが前に突き出した右手から火の玉が3個こっちに向かって・・・って!
『あぶね・・・あれ当たったら火の車だな・・・』
「どんどんいくぜ!【炎よ、渦巻き蹴散らせ!】」
そういうと、彼の突き出した左手から炎が渦巻きだしてこっちに・・・あーもう!
動きが直線的なので右に避け、危機は脱した・・・か?
「まだだぜ!【渦巻く炎よ、敵を追え!】」
いわゆるホーミング機能なのか、火は、俺の後方から突進してきた。
『チッ!【光よ!】』
と、俺は指先に光をともし、こっちに向かってくる火の渦巻きに投げつけた。
「へっ!そんなのでなんになる!」
『まだ終わって無いぜ!【弾けろ!】
そういうと、火の渦の中にあった光の球は勢いよく破裂し、強烈な光と圧倒的な破壊力をもってして、炎の渦を消した。
「へー、お前結構やるなぁ・・・」
『『光』の能力は伊達じゃない(そう)なんで』
(そう)はあっちに聞こえなかったようで。
「ほう・・・お前は俺がぶっ殺す!」
と、かなりやる気になってしまいました。