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オッサンとはじめてのお外遊び

昨日2話投稿していたことに気付く。

投稿予約の使い方が分からない(´・ω・`)

アーネスト子爵家の屋敷は広い。


質実剛健な当主の性格なのか、広大な庭には華美な装飾は少く、サッカーコート数枚分の芝が生えた広い庭、その向こうには大きな森が広がり薄らと山の稜線が見えた。


何でもこの辺り一面、森も山も含めて全てアーネスト子爵家の所有物らしい。


おおぅ、ブルジョワジー。


そう言えば、向こうの森で主人公の覚醒イベントアイテムがあったな。

あれは物語中盤の難所だった…。


おおぅ、いかんいかん。現実逃避している場合じゃない。




「あー、ま、ママ…いえ、母上?い、今から何を…?」



実は話せるという事が判明した瞬間、俺はママンに首根っこを捕まれ庭に連れてこられた。


いや、実は話せると言うか、むしろ俺も自分が話せるなんて知らなかった。ママンの恐怖に負けてやってみたら出来たのだ。


ちなみに話している言葉は日本語だ。

この世界の文字も当然日本語で書かれている。


流石はJRPG!親切設計だぜ!



ともあれ、一応マーサが必死に止めてくれたのだが、ちょっと外で遊ぶだけだとママンに押し切られてしまった。


遊ぶとか絶対嘘だよ!



完全に刑を執行される直前の死刑囚の様な気持ちで、広い庭の真ん中で仁王立ちして俺を見下ろすママンに声を掛けた。


ギロリと鋭い眼光が俺に突き刺さる。

や、やべぇ。殺される…!?



「良い!良いな!中々可愛いじゃないか!アルフォンス!

くっくっくっ。まさか本当に話せるとはな!流石は私とアレックスの息子だ!」


って、褒められるんかい!



「呼び方はママが良いな。うん。そっちの方が可愛い。」


「え、いや、でも…。」


「アルフォンス?私に二言を言わせる気か?」


反射的に口答えをした瞬間ギラリとママンの目が光る。

や、やべぇ!!


「ママ!今から何をするの?」


「なぁに、さっきマーサにも言っただろ?ちょっと遊ぶだけだ。そうだな。かくれんぼなんでどうだ?」



危ねぇ!今確実に殺気が出てたぞ!?


俺の一言に満足したのか、ウムと頷きママンが口を開く。

って、え?かくれんぼ…?

まさか本当に遊ぶの?



俺が余程不思議な顔をしていたのだろう。

ママンはしゃがんで俺と目線を合わせ、ゆっくりと語りかけてくる。



「かくれんぼだ。分かるか?私が今から5分、600秒数える。

その間お前はこの庭のどこに隠れても良い。30分以内に私が見つければ私の勝ち。隠れ切れればお前の勝ちだ。」



え、あー、うん。何っていうか赤子とするかくれんぼにしては制限時間長過ぎない?まぁ別に良いけど…。


ちなみにドキめもの世界では単位は日本と同じだ。

分かりやすくて良いね!



予想外の提案に惚けていると、ママンがニヤリと笑う。



「なぁアルフォンス。お前は強い戦士の1番大切な条件は何か分かるか?」



何をいきなり…?強い戦士?


「え、えっと…、ち、力が強いとか?」


何となくパパンをイメージして答えると、ハンっ!と鼻で笑われてしまった。



「浅い。浅いなアルフォンス。確かに力、それに技能も非常に重大な要素だ。だが決して1番ではない。」



あー、何だか嫌な予感がする。



「強い戦士の第1条件。それはかくれんぼが上手いことだ。」



は?何言ってんの?やはり脳にも筋肉が…?



「アルフォンス。目は口ほどに物を言うと知っているか?」


「ね、ねぇママ!それってどういうことなの?」


「2度目はないぞ?」


こ、こぇええ…。




「ふん。まぁ良い。いいか?実際の戦場では決闘の様に向かい合って戦闘が始まることはほぼない。お互いがどこにいるか分からない状態で始まることが殆どだ。」



いわゆる合戦の形骸化ってやつか?

それこそ騎士や侍の時代では皆が横一列になって突撃し合っていたが、銃や大砲、通信機器が発達した事でより戦争が複雑化したとか何とか…。


うーむ。この世界がドキめもの世界だとしたら、銃や大砲こそないが魔法がある。



ドキめもはゲーム的にはオープンワールドのアクションRPG。


作中では戦闘に使う攻撃魔法は勿論、敵を見つける探索魔法に離れた相手と通信する通話魔法、敵から身を隠すための潜伏魔法なんて言うのもあったし、果ては転移魔法もあった。


魔力と言う何でもありな不思議パワーがある故に、地球よりも

戦場がより遊撃(ゲリラ)的になっているのかもしれないな。



「つまり、常に探査魔法で敵を探索できる索敵(サーチ)能力。また、高度な隠蔽魔法を使いこなし、敵から隠れ得る潜伏(ハイド)能力。これらを駆使し、敵を一方的に攻撃し倒し得る能力こそが強い戦士に必要な第1条件だ。力や技云々はその後だな。極端な話、油断した敵を殺すだけならナイフ1本あれば事足りる。」



ほぉーん?

なんて言うか特殊部隊みたいだな。

もうここまで来たら近代と言うより現代的な考え方だ。


いや、言うより猟師的な考え方な気もするな。

野生の獣を狩る猟師みたいだ。


有名な兵士であるシモ・ヘイヘなんかも元猟師だったし、世界が変わってもその辺は変わらないのかもしれないな。



………ん?ちょっと待て。

今から何をするって話だったっけ?



「さぁ殺し合い(かくれんぼ)を始めよう。」



やる気って言うか殺る気満々じゃあねぇか!このオカン!!





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