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オッサンは思い出す。

とりあえず1日1話投稿くらいで頑張ってみます。


ドキドキめもりある~封じられし聖魔の箱~


略称ドキめも。


噂されると恥ずかしいからとか言って中々一緒に帰ってくれない赤髪の女の子が出てくる某ギャルゲーの金字塔の様な略称だが、乙女ゲー界隈では近年稀に見るビッグタイトルだ。


話の大筋は、ヒロインの平民の女の子が高貴な男達のお悩み相談をしてそれを解決し、次第に惹かれ合うと言うスーパーオーソドックスな流れ。


剣と魔法のなんちゃってファンタジー世界の学園で繰り広げられる陳腐なシンデレラストーリーだ。


これだけ聞くと面白くもなんともなさそうだが、RPGゲームとしてはかなり優秀。


物語の序盤はしょうもない学園ストーリーが繰り広げられるが、中盤からは学園の外に出て世界を旅する事になる。


広大なオープンワールドと細部まで作り込まれたグラフィックは圧巻の一言。


公式ですら中盤からが本編と言っているほどだ。



特に自由度の高さが売りで、ストーリー序盤から本編を無視してラスボスに挑むことも出来るし、追加DLCで古代文明の天空都市郡や魔族の住む魔界等、それだけでゲームが1本作れる程のコンテンツ力を持っている。


魔法やスキル、職業や武具等も千差万別に用意され、それ等の改造等も可能になっている徹底ぶり。


ストーリー自体はあえてオーソドックスにし、世界観やゲーム性をウリにした典型的なゲームと言えよう。



そしてオーソドックスなストーリーのゲーム故に、ヒロインやヒーローがいるとなればその敵役――いや、はっきり言えば噛ませ犬も当然いる。


事ある毎にヒロインに難癖を付け見下し、時には邪魔をし、時には虐めをして最後にはヒロインとそのパートナーにざまぁされる哀れな敵役。


その噛ませ犬こそがこの国の第3王子であり、その取り巻きAこそがアーネスト家のドラ息子。


アルフォンス・アーネストその人である!


ちなみに見た目は金髪金目で、関取のような体型をしている。

もう1人の取り巻きBはガリガリのチビ体型だ。


噛ませ犬王子は割とイケメンなので、取り巻きABに関しては完全な引き立て役だな。


割りとアルフォンスは引っ込み思案な性格と言うか、主体性のない性格をしており、キーキーうるさい取り巻きBと俺様キャラな噛ませ犬王子の起こす厄介事に巻き込まれている様な印象だったはずだ。



つまり、それが俺か!!!?



所狭しと様々なおもちゃが並べられた広い部屋の真ん中にある

シンプルながらもしっかりとした作りのベビーベットで1人絶望する俺。


あまりの出来事に意識が飛んだ俺を、寝たと勘違いしたマーサがベットに連れて来てくれたのだ。



―――しかし、この部屋本当に広いな。

前世の俺のワンルームより広いんじゃあないだろうか?


さすが子爵家とは言え王家の直臣だな。


ゲーム本編で語られることはなかったが、広辞苑並みに分厚い設定資料集にそんな事が書かれていた気がする。



いや、それはそれとしてこれは不味いぞ。非常に不味い。


なにが不味いって、このまま行くと俺は15歳で学園に入ると魔王の部下の手先にされて呆気なく殺されるのだ。



ヒロインが学園に入学し、好きなイケメンとキャッキャウフフしてる所を毎度邪魔をしたり虐めたりするのが第3王子とその取り巻き達。


彼等はある時、偶然入り込んだ学園の小部屋で封印されていた小さな箱を開けてしまう。


タイトルにもある聖魔の箱だ。


その箱には古の魔王が封印されており、哀れは噛ませ犬王子とその取り巻きは魔王の手先として操られる羽目になる。


最終的にはヒロインとその相方に殺されてしまう…と言うのがドキめもの序盤のストーリーだ。



ちなみに、アーネスト家は子爵家だが軍部に強い影響力を持っており、アルフォンス(俺)の死が切っ掛けで軍部を始め、この国が魔王の脅威を認識すると言う流れになっている。



いや、駄目だろ!

本編の前の序章で死ぬとか路傍の石ころ並の人生だわ!


何ならまだ噛ませ犬王子だったら良かったわ!


何せあの噛ませ犬王子、見た目は結構カッコ良いし、最終的にはヒロイン達に説得されて主人公チームに合流するしさ!


なんなら結構使い勝手が良いキャラなので追加DLCの隠しボス戦でも普通に使える奴だ。



そう。序盤で死ぬのは俺だけなのだ!


くそ!あのベ〇ータ野郎!


最後の方は悲しい宿命を背負ったダークヒーローみたいな顔をしていたが、ヒロインの事が好きで虐めていただけの小学生男子並のポークビッツ野郎の癖に!





……よぉし。OKOK。時に落ち着け俺。


この世界が何なのかは分からんし、俺が今どういう状態なのかも分からん。


本当にゲーム転生したのかもしれんし、単なる俺の明晰夢なのかもしれん。


だが、このまま行くと15年もすれば確実に死ぬ可能性が高い事は分かった。


ならばやるしかないだろう。


全身全霊全力全開の生存戦略を!!!


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