魔法少女は、心の闇に囚われていたもう一人の魔法少女を救いだし、共に世界の闇を晴らした。そしてその夜、互いに想いあう二人は体を重ね、一つになる。
「終わったね」
「うん……」
私、ううん、私達は魔法少女だ。
ピンクの衣装を着る私は、キュア・マジカル。
ブルーの衣装を着る彼女は、アリア・マジカル。
ある日、私は不思議な生物の力によって、魔法少女になった。
世界を闇に染めようとする魔女達との戦い。
それは大変な戦いだった。
最後まで戦えたのは、私の親友がいたから。
そう、もう一人の魔法少女である、アリアちゃんがいたからだ。
彼女は、元々は魔女の女王の娘だった。
だけど、女王は彼女にひどい事をしていたのだ。
アリアちゃんは、こう言っていた。
ママは魔女の力の実験台として自分を利用していた、と。
そして、命じられるままに戦わされていた、と。
その結果として、アリアちゃんは笑顔を、そして心を失くしてしまっていた。
そして、私は彼女と何度も戦った。
だけど、私は初めて見た時から、彼女を救いたいと思った。
顔色一つ変えない彼女、まるで心がないようなアリアちゃんを救いたかった。
ううん、それより……私は彼女に恋してしまったから。
恋とか全然わからないし、お母さんに聞いたら小学生なのにまだ早いわよ、なんて言われたけど……
私はアリアちゃんの事をいつも考えるようになっていたのだ。
これってきっと、アリアちゃんに恋していたんだと思う。
だから、私は彼女との戦いの時、何度も語り掛けた。
そして、何度目かの戦いのとき、私は隙を見て彼女に抱き着き、キスをした。
そして、魔法の力で私の想いをアリアちゃんに流し込んだ。
私がどんなに……
どんなにアリアちゃんに恋しているのかを
どんなにアリアちゃんを求めているかを。
私はもう、アリアちゃんがいなければ生きていけない。
戦いたくない。
二人で一緒に同じ時を過ごしたい。
敵同士なのに、そんな思いを持ってしまった。
馬鹿な私。
だけど、後悔なんかしない。
絶対に!
その思いが通じたのか、アリアちゃんは戦いをやめてくれた。
そして私は、両親に頼んで彼女を居候させてもらう事した。
こうして、私達は普段は二人で一緒の家に住み、一緒に小学校に行き、時にはアリアちゃんの母親である女王を止める為に、一緒に戦うようになったのだ。
そして、女王との最後の戦い……
結局、女王にアリアちゃんの声は届かなかった。
アリアちゃんが、どんなに止めてと言っても、お前の為だ!といって、世界を闇に染めようとしたのだ。
そして、戦いが始まって……そして終わった……
女王は、死んだ……
アリアちゃんは泣いていた。
あんな母親でも、アリアちゃんは愛していたのだろう。
私は、彼女をギュッと抱きしめた。
「家に帰ろう。私達の家に」
「うん……」
「お母さんとお父さんも待っているよ」
私の両親は、アリアちゃんを本当の家族のように大事に扱ってくれている。
アリアちゃんも、二人の事が大好きなようだし……
「そうだよね……私には、あなたがいる。お母さんは死んじゃったけど、あなたがいれば、私は生きていける」
「そうだよ。私達は二人で一つなんだから」
「そうだよね……二人で一つ、だよね!」
「そうだよ!じゃ、帰ろ!!」
「うん!」
そうして私達は、家に帰った。
お父さんとお母さんに、遅くまで家に帰らなかった事を怒られたけど、へっちゃらだった。
二人でいれば、苦しみは半分、楽しみは二倍だからだ。
そして、一緒に夕飯を食べ、一緒にお風呂へ。
一緒にお風呂に入るのはいつもの事だけど、今日は特別緊張した。
戦いが終わったら、二人っきりでベッドの上でやりたい事があったからだ。
もちろんアリアちゃんにも言ってある。
ベッドで愛し合って、一つになろうって。
そう、私達は今日、親友、戦友、そして、恋人未満という関係から、一線を越えるのだ。
私達の心はもう一つだ。
でも、私達の体はまだ一つになっていない。
その方法を調べていたのは、家でネットを見た時だった。
衝撃だった。
でも、目が離せなかった。
でも、絶対アリアちゃんとやるって決めていた。
それが今日、叶うんだ。
私達はお風呂で互いに洗いっこして、体を余す所なく綺麗にすると、パジャマに着替えて私達の部屋に行った。
私達の二人でベッドに入ると、アリアちゃんは仰向けに横になった。
そして私は、アリアちゃんに覆いかぶさった。
ほてったアリアちゃんの体温が心地いい。
「ねぇ、アリアちゃん」
「お願い、アリアって呼んで」
「うん……アリア、好き」
「私も、好き……」
そして私達は、キスした。
今まで何回もキスしたけど、こんなに甘いキスは初めてだった。
アリアの顔も真っ赤になっている。
これから起こる事に期待と不安を抱いているのだろう。
私だってそうだ。
「ねぇ、アリア。どうせだから、魔法少女になってやろう?」
「え……うん、いいよ。あなたがそう言うのなら……」
そして私達は、変身した。
「変身!愛と正義の魔法少女、キュア・マジカル」
「変身!希望と未来の魔法少女、アリア・マジカル」
素敵……
アリアは普段着も素敵だけど、魔法少女姿は比べ物にならないくらい素敵だ。
変身するとき一瞬見える裸も、お風呂場で何度も見ているけど、ドキドキする。
「じゃぁ、次は自動回復魔法ね」
「え、どうして?」
「朝までずっと愛し合えるようにだよ。疲れちゃったらダメじゃん。せっかくの時間が早く終わっちゃうよ」
「そ、そうだよね。せっかくの時間だものね」
自動回復魔法はかける相手が大切な相手であるほど効果を発揮する。
私達なら、死ぬような傷でも一瞬で治る。
それほど私達は互いを想いあっているのだ。
私達は互いに自動回復魔法をかけた。
次に私は、結界魔法で邪魔が入らないようにした。
掛け終わった後……
「アリア、目、瞑って……」
「う、うん……」
アリアは目を瞑った
私は、再び彼女にキスをし、そして……
口を通して、アリアに電撃魔法を放った。
「あがががががが!!!」
アリアが聞いた事も無いような声を上げる。
ああ、痺れる声も素敵だ。
普通の人間だったら死んでいるような電撃。
でも、魔法少女だったら耐えられる。
ああ、ありがとう。
魔法少女になってくれて。
回復されちゃったら困るから、私はすぐ次の行動に移った。
魔法で腕力を強化したのだ。
強化した私の腕力は、プロボクサーなんか目じゃないくらい強い。
私は、彼女の首を絞めた。
「あ……あぁぁぁぁぁ!」
彼女は息が出来ていないのだろう。
顔が青くなっている。
こんなアリアの顔、初めて……
とっても可愛い。
ドキドキする。
ボキっ
大きな音がした。
彼女の首が折れたのだろう。
このままじゃアリアは死んじゃうけど、大丈夫!
私が掛けた自動回復魔法はとってもすごいんだから!!
私の愛はアリアを絶対に死なせない。
ほらね、すぐに治ったし。
そして私は、アリアを殴った。
顔を、体を、両腕を、両足を。
ボキッ!バキッ!!グキ!!!
アリアの骨が折れる音が聞こえる。
やっぱりアリアは素敵だ。
骨が折れる音、その感触……ドキドキする。
アリアの掛けてくれた自動回復魔法のおかげで、私は全然疲れていない。
アリアから私への愛を感じる。
ありがとう。
こんなに私を愛してくれて。
最後の仕上げとして、私はアリアを宙に浮かべた。
「どうして……」
私の愛の自動回復魔法の力で、もう回復したようだ。
アリアは、泣きながら私に話しかけてきた。
でも、私はそんな事聞いていられなかった。
彼女が愛おしく、彼女を愛する事に歯止めが利かないからだ。
私は、アリアを拘束魔法で動けなくすると、彼女の体内を爆破した。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
でも、死なない。
普通の人間だったら絶対死んじゃうけど、魔法少女だから死なない。
そして、傷はすぐに回復する。
爆破
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
爆破
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
再び爆破
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………………」
爆破、爆破、爆破、爆破、爆破…………
何度か体内を爆破して、アリアは意識を失ってしまった。
ああ、気を失ったアリア、白目をむくアリア、血を吐いているアリア……
本当に素敵……
私はアリアが気絶している間に、魔力を集中させて高めた。
「う、うん……」
取り戻した!
よーし、私の愛の必殺技を見せてあげる!
「私の愛のパワーよ!アリアを想う力よ!!炎となって具現せよ!!!」
私の愛の炎が燃え上がる!!!
「エターナル・フレアァァァァァ!!!!!」
ボォォォォォォォォォォ!!!!!
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アリアの体が燃える。
ああ、いい匂い……
アリアの匂いは最高だ。
汗の匂いも素敵だけど、体が焼ける匂いも最高だ。
悲鳴も最高だ。
その声色は、どんな歌声より美しい。
エターナル・フレアは、私の想いの強さによって威力が違う。
アリアへのありったけの想いを込めたこの技は、私が命じない限り、決して解ける事がない。
何時間たっただろうか……
朝日が昇ってきた。
私は既に自動回復魔法を解除している。
だからアリアの体は真っ黒こげだ。
アリアの変身も解けている。
変身は気を失っても解けないけど、体内の魔力が完全に無くなると溶けてしまうのだ。
魔法少女の服が溶けて無くなる瞬間も素敵だ。
アリアは私にいつも素晴らしい物を見せてくれる。
でも、それでも死なないのはさすが魔女の女王の娘。
アリアは、体内の魔法の暴走によっていつ死んでもおかしくない、仮に生きれても長生きできない存在だった。
女王は娘を救うために何度も手術を行い(アリアは力の実験と思っていたけど)それによって少しでも寿命を延ばした。
戦わせたのは、手術によって得た力を体に馴染ませるためだ。
そして、完治させるためには世界を闇に染める必要がある事を知った彼女は、それを実行に移そうとしたのだ。
アリアを心配するほかの魔女と一緒に。
ああ、世界が闇に染まるって言っても、それはほんの数日で、その数日があればアリアの魔法の暴走鎮静化し、世界が普通になってももう暴走する必要が無くなるから、本当は戦わなくってもよかったんだよね。
私が戦った理由は、最初は単に楽しかったから。
アリアと会ってからは、アリアの仲間に嫉妬したから。
私が知らないアリアの記憶を持っているなんて、許せなかったんだもん!
ちなみに、魔女たちは全滅するまでかなり闇の力を集めたから、今やアリアは普通の人間より丈夫だ。
まぁ、もちろん暴走の危険はあるけど。
私がそれを知ったのは、ネット……私だけの能力、マジカル・ネットで調べたからだ。
ちなみにインターネットって、苦手でよくわからないんだよね
もちろんアリアには言わなかった。
だって、それを言ったらアリアは母親の元に帰っちゃうかもしれないから。
嫉妬しちゃうもん。
離れたくないもん。
そんな事をアリアが燃えている時に話してたら、なんだかアリアが怒ってた。
許せない!悪魔め!!とか言って。
なんでだろう?
私は悪魔じゃなくって、魔法少女だし……
そう、私は恋に恋する魔法少女、キュア・マジカル!!
そっか、わかった!
やっぱりアリア、まだ女王の事を忘れられないんだ!!
もー、許せない!
私以外の人の事を考えるなんて!!
まぁいっか。
マジカル・ネットで知った、二人の魔法少女が一つになる方法。
それには、母体となる魔法少女(私の事)と、死の寸前まで弱った魔法少女(アリアの事)が必要。
「ママ、ママ、ママ、ママ、ママ……………」
意識を失っていないなんてさすがはアリア!
でも……もー、また他の人の事ばかり考えている。
でもいいや、もうすぐ一つになるのだから。
「合体魔法。ラブ・エターナル」
そうしてアリアの体は、私に吸い込まれていく。
「ママ、みんな、ごめんね……」
アリアの体はゆっくり私の体に吸い込まれていく。
ああ、これで私達はずっと一緒だ。
一つになれるんだ。
しかも、アリアの記憶は私以外の全ての人から消去される。
アリアの存在は、私だけの物だ。
アリアの全ては、私だけの物だ。
もちろん私の心と体はアリアの物だ。
私達は一つになるのだから。
ずっと一緒だよ。
大好きなアリア。
魔法少女、大好きです。