症候群(シンドローム)
症候群
朝、目が覚めると僕の身体から、根が張っている事がたまにある。
布団には僕の身体から生えている根がしっかりと張られており、まるで身動きが取れない。
さういう朝は決まって、昨日までの僕の鋭気が逆に布団へと、吸い取られてしまうのだった。
詩:Tanaka-KOZO
長い人生には、何にもやる気の起きてこない朝だってある。
仕事、または学校などに行きたくなくなり、今現在置かれている、この重圧から逃げ出したくなる、そんな朝だ。
この詩は、そういった病んでいる心情を、ありえない情景として表現してみた。
戦前の文豪らのテイストを残しつつ、カフカの「変身」のような唐突さから始まる。
この作品が表す、陰影で病んでいる世界観が、つげ義春っぽくて気に入っている。