聖剣から作ったつまようじ ~タコとイカの二重奏~
聖剣から作ったつまようじ
~タコとイカの二重奏~
青い空に白い雲。
私はその景色を、しばし茫然と
眺めていた。
ふと、足元にに赤い血溜まりがができていることに気がついた。
手元の聖剣カルピ◯ソーダ
に目をやると、普段よりも光っている気がした。
聖剣本来が持つ輝きを遥かに越していた。
私の目は、自然とカルピ◯ソーダが発する光に引き寄せられていった。
すると、私は心の中にあった、静かな怒りを、探し当てた。
くそっ‼あいつのせいだ、あいつが悪い。全てはあいつが引き起こした事だ。
あいつはいつも私の隣にいた。
緑色のショートヘアが良く似合う、気のいい女の子だった。
昔の話だ、と条件付きではあるが。
また、彼女は良く奥歯でタコの足をかんでいた。
口からはみ出した赤が、白い肌を引き立てていた。あのタコの足は食うためにくわえていたのであれば、それは許せないことだが。
まぁ、タコをくわえているところ以外は、至って普通の女の子だった。しかし、彼女は変わってしまった。
昨日か、一昨日か……。とりあえず彼女が変わってから、私はずっと空を見ていたのだろう。
それは、暗い嵐の夜だった。私は家の近くの丘で、イカを食べていた。
雨に濡れながら、必死にイカの足に食らいついていた。
あの時の私は、どこかおかしかったのかもしれない。家で食えばいいものをなぜ。
私は、頭の中でタコ墨がイカ墨よりも美味しいらしい、という噂について考えていた。
それは、私の中で、一番の悩みだった。真実かどうかを知るすべはないが、タコ墨など食えたものではないと私は信じている。
私がタコ墨とイカ墨問題について静かに考えていた時、彼女は走ってきた。グリーンヘアの女だ。
私はすぐに彼女に気づき、いつものように、彼女のくわえているタコの足でサッカーをしようとしていた。
嵐の夜にだ。私は間違いなくイカれていた。彼女もイカれていたかは、今となっては知る由もない。
私は、彼女の口のタコ足を引っ張り出そうとした。だが、どうしてっ‼
私は気付いた。気付いてしまったのだ。だが、遅すぎた。全てを悟ったその瞬間、彼女は真の姿を現した。
悪魔となったのだ、奴は魔王の手下へと成り下がった。タコの足なんかくわえているからだ!
私が彼女のいきなりの変身に驚いていると、私の聖剣は、形を変えた。
目もくらむ程の光を発して。その後、何が起こったのかは分からない。
気がつけば、空を眺めていた、というわけだ。私は、聖剣をもう一度みた。
元の大きさの千分の一くらいになっている。光を放つ聖剣は、とても綺麗だった。
血溜まりには、グリーンのショートヘアが倒れていた。全身に細かい針のようなものが刺さっている。
千本近くはありそうだ。おそらくもう死んでいるだろう。
口からはみ出したタコ足は、血にまみれて一層赤かった。
やはり食えそうにないな、タコは。私は聖剣をタコの足に突き刺した。
つまようじと化した聖剣は、タコの足にうまく突き刺さった。
つまようじが、刺さっているタコもやはり食欲をそそりそうになかった。
やっぱりそうだ。私は笑ってしまった。すると、口からイカの足が落ち、血溜まりへと浸かった。
気付いたときには遅すぎた。
イカの足は真っ赤になり、とてもまずそうだった。
ーーーーーENDーーーーー
原案ーかえるの神様ー
ーフリスク(キャラ)ー
ーきつねのるかー
校正・作ーかえるの神様ー
編集ーきつねのるかー
初投稿です。少し意味が分からなかった。
と思いますが最後までお読みいただき
ありがとうございました。
とりぷるえふをよろしくお願いします。