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アーメス大地に立つ(いや立ってないじゃん)

やっと、あらすじに書いたファンタジーっぽくなってきました。

2


大気圏に突入。高速で大地に向かって落下していく。


様々な防御措置が施されたグライドの機体はこれくらいで壊れることはない。


しかし、大気との摩擦で高温になった機体を冷やすため湖に着水しようとしたが、これが不味かった。


着水した瞬間、超高速で水面から弾き飛ばされ、飛び石の様に何度も跳ね回った。


結局、湖を飛び越し、地面に数百mに及ぶ傷跡を残し、巨大な樹木を何本も吹き飛ばしてやっと止まることが出来た。


とんでもないハードランディングだ。


慣性制御機構による自動防御が働いていなければ、機体がバラバラになってもおかしくなかった。


しかし、ハイパーキャパシティ内のエネルギーが底をつき、機体を動かすことが出来なくなった。


「さて、どうしたものやら」


機体内で数日を過ごす。非常食も残りわずかだ。


コクピット内で途方に暮れていたが、いつまでも引きこもっているわけにはいかない。


空気は呼吸可能だが、水や食料を調達出来なければ干からびてしまう。


リアクターが不調のため、機体維持するのが精一杯なので自分で何とかするしかない。


とりあえず、センサーによる外部調査を行う。


湿度60%、外気温摂氏25度。空気中に有害な物質もなさそうである。


「仕方ない、外に出るか」


「ヒキニート卒業ですね。おめでとうございます」


エリシエルの皮肉だかギャグだかよくわからないセリフを無視して、ハッチを開け外に出る。


「小型の哺乳類、爬虫類、昆虫などが多数存在しています。そのうちいくつかは、食料となりそうです」


「なんとか飢え死にはしないで済みそうだな」


赤いトマトの様な実がなっているのを見つけた。


「これ食えるのかな?」


「大丈夫です」


「ふむう」


試しに少し齧ってみた」


「か、からっ、からっい、なんじゃこりゃあ」


見た目はトマトだが、中身は唐辛子だった。


そして数時間の奮闘後、なんとかある程度の食料が確保できた。


蜘蛛と蛇、なんだかよくわからない木の実。それが今夜の晩飯だ。


正直うまいとか不味いとか言ってられない。が、しかし、もっと美味いものが食いたい。


半分泣きながら、コックピットで寝る。


1週間が過ぎそんな生活にも徐々に慣れてきた頃。


「動体センサーに反応。何か大きな生物がいます」


「もっと詳しいデータをくれ」


「全高6m、巨大なトカゲの様な生物。北北東から時速約15kmで接近中。それと」


「それと?」


「全高1.5m、哺乳類。おそらく人間です」


俺は武器を確認する。


ハンドガンが一丁、ナイフ、それと手榴弾。


それらを腰に引っ掛けると俺は走り出した。


とは言え、森の中は走りやすくはない。が、のんびりしている暇はない。


そこで緊急手段を使うことにした。グライドで俺を目標地点まで放り投げたのだ。


初期加速は慣性制御機構で中和させた。


最高高度に達した時にパラシュートを開く。


パラグライダーの要領で目標近くまで寄せていく。


すると上空から目標が確認出来た。


「あれは恐竜じゃないのか」


俺は恐竜に詳しいわけではないので断言出来ないが、ティラノサウルスの様な恐竜が走っているのが見えた。


さらに近づくと、ティラノサウルスの前方を人が走っている。


間違いなく人間、それも女性。


上空から銃を撃ち続けた。


ハンドガン程度ではろくなダメージも与えられないが、注意をこちらに向けることぐらいは出来た。


樹木がまばらな場所でパラシュートを切り離して着地する。


ティラノサウルスがこちらに向かっているのを確認し、そのまま銃を撃ち続ける。


十分に引きつけてから手榴弾を投げつける。


良いタイミングで手榴弾が爆発。


よし、やったぜ。と思ったが。あれ?全く効いてません。


ティラノサウルスを怒らせただけ。


そこから先はよく覚えていません。


おそらく生まれてこの方、最も早く走ったと思います。


とにかくひたすら走って、走って、走りました。


気がつくと空中でした。


どうやら崖があったらしいです。


空中でバタバタもがくと、手に何かが引っかかったので夢中でしがみつくと、それは木から垂れ下がっていた蔓でした。


そして直ぐ後ろに何か大きな物が落ちていく気配がします。


俺を追っかけてきたティラノサウルスが一緒に崖から落ちた様です。


結構深い崖だったので、流石の奴も無事には済まないでしょう。




蔓から降り、地面にたどり着いた俺は緊張が解けて地面に大の字に寝転がりました。


その時、ガサガサと音がして何かが近づいてきます。


やべえ、もう動けないよ。そう思って顔を上げると、そこにいたのは16〜17歳くらいの女の子でした。







さて、毎度恒例の裏設定。


ドラゴン


この世界には恐竜から進化した、いわゆるドラゴンと呼ばれる生物が存在する。

我々の世界では滅亡した恐竜は、この世界では魔法を己のエネルギーとして使えるように進化し、そのため生き残る事が出来た。

恐竜の滅亡は、巨大隕石の落下。地球の酸素濃度の低下により、恐竜のような巨大生物は自己を維持出来なくなった。等の説があるが、魔法を自己のエネルギーとして使用出来るようになったこの世界の恐竜は、そういった危険を全て排除出来るだけのポテンシャルを持つこととなる。

その結果、現在恐竜は地球上において最強の生物、ドラゴンとして君臨している。


普通の生物は食事と呼吸によって、自己を維持するためのエネルギーを得ているが、魔法によってエネルギーを得ているドラゴンは、食事や呼吸すら本来は必要ない。

ドラゴンが食事をするのは成長するための材料の補給、あとは楽しみの為、物を食べているのである。

怪我や新陳代謝によって欠損したものさえ補えればいいだけなので、ドラゴンは数年にわたって食事をしなくても問題ない。

酸素すら必要としていないので、真空中でも問題なく活動出来る。


生物がエネルギーとして消費しているもの、細胞レベルで言うとブドウ糖、筋肉ではATPを消費して乳酸を老廃物として排出する。

そういった活動全てが魔法によって置き換わっている。

人間が魔法を使うときは、脳内の前頭葉にある海馬の一部分が魔素を観測し、エネルギーとして収束させる。と言う流れになり、魔法を使う人が魔法を使うと言うことを意識しなければならないが、ドラゴンは細胞レベルでその行程を行うため、ドラゴンは魔法を使うと言うことを意識しない。

人間が心臓を意識していなくても、心臓は勝手に動き続けているのとよく似ている。


魔法を自己のエネルギーとして使用出来るようになったドラゴンは、ヴァンデルワース最強の生物となった。ドラゴンを殺す事ができる生物はおそらく人間のみであろう。

それもヴァンデルワースには核兵器はまだ存在していないので(火薬はある)数十人、数百人で戦って、なんとか勝つ事が出来る程度である。

一対一で戦ってドラゴンに勝てる生物は、この世界にはいない。

しかし、その強さがドラゴンを滅亡危惧種にした。


ドラゴンを殺せるものがなかったため、ドラゴンの生殖率は極端に低くなった。

だが、魔法を覚えた人間はドラゴンを資源として(ドラゴンの爪や牙、鱗は武器の材料や建材として非常に有用だった)そして、自身の安全を守るため、その数を持ってドラゴンを駆逐しはじめたのである。生殖率の低いドラゴンは個体数を維持出来ず、その数をどんどん減らしている。


強くなりすぎたドラゴンはその強さ故に、滅亡しかかっている。


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