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マリエの長い午後

日曜出勤になってしまい、ろくに書いている時間がなかったorz

12


結局ギーブルグさんには散々怒られ、マリエちゃんは怖がって全く姿を見せようとしない。

途方に暮れているとミシェールさんがやって来た。


「ごめんなさいね。あの人はマリエのこととなると周りが見えなくなるから。マリエがあんな性格になったのはあの人が過保護すぎるせいもあるのだけれど。それも実は仕方ない事なのかもしれないわね」


どう言うことか聞いてみると


「マリエが五歳くらいの頃、マリエの周りでいきなり物が燃え出す事件が度々起きたの。それは、マリエの持つ魔法の能力が暴走しちゃったせいなの。今ではコントロールできる様になったのでそんな事件は起きなくなったのだけれど、初めは大変でしたよ」


「そんなことが…」


「マリエが対人恐怖症になったのは、きっとそのせいね。私達がこの村に来たのも、人の多い王都より、ここの方がマリエにとって楽じゃないかと考えたからなの。でも、いつまでもこのままでいる訳にはいかないわ」


そう言って俺をみる。


「私は、今回あなたがやった事は、マリエの殻を破るいい機会じゃないかと思ってるの。だから諦めないで、マリエに話しかけて欲しいの」


「わかりました。自分の都合で始めた事だけどマリエちゃんの為になるなら、もう少し頑張ってみたいと思います」


「頼むわよ」そう言ってミーシェルさんはニッコリと笑った。


とは言ったもののマリエちゃんには全く会うことが出来ない。どうやって説得するべきだろう。


「物で釣るって言うのはどうでしょう?」


「エリシエル、お前少しは懲りるとか、反省するとかないのか?」


「せっかくマリエちゃん用のパイロットスーツも作ったのに」


ふむう、グライドに乗るなら確かにパイロットスーツは必要だ。しかし、こいつのことだ。絶対まともな物を作るはずがない。


「エリシエル、ちょっとスーツを見せてみろ」


そう言うと出してきたのは金色のリングの中に星がはめられた飾りのついた、ステッキ?の様なものだった。


「この星の飾りの中にナノマテリアル化したスーツが入っています。音声認識でナノマテリアル化したスーツが展開し装着されます」


「それじゃ、アーウラさんにでも装着してもらって確認しようか」


「いえ、それはおススメ出来ません」


「なんで?」


「アーウラさんの歳で、魔法少女の服はちょっと似合わないと」


うわ、言っちゃったよ、魔法少女って。


その時、マリエちゃんが物陰からこちらを伺っているのに気づいた。しかし逃げられてしまうと困るので、ワザと気がつかないふりをした。


「エリシエル」そっと小声で言う。


「はい、なんでしょう?」


「マリエちゃんがこっちを見ているのに気づいたか?」


「はい」


「彼女からは絶対こっちに近づいてこないと思ってたのにどう言うことだろう?」


「ストックホルム症候群では?」


「違うんじゃないか」


「まあ、とにかく彼女の方からこちらに近づいて来てるのですから、この機会を逃さない方がいいですよ」




そして、悪戦苦闘の結果なんとか彼女にグライドに乗ってもらえることになった。

悔しいことに、決め手になったのはエリシエルの作ったパイロットスーツだった。


「アーウラさんのとは異なり、パワーアシスト機能はありません。その代わり対G、耐斬、耐ショック、耐熱、耐寒、等々防御機能は非常に高くなっています。そして、緊急事の対応策として、非常に臭い液体を散布することが出来ます」


「あまり使いたくない機能だな」


「その臭さ、スカンクの屁の約2倍。ちょっと、ためしてみましょうか?」


「いや、止めろって」


「もちろん、これにも自動装着機能があります。キーワードは『マジックパワーでミラクルチェンジ。魔法少女、マジカルマリー』です」


「長くないか?」


「誤作動防止のためです」


「頭についてる、ネコミミは何なんだ?」


「装着者の生体監視機能モニター付きヘッドバンドです。肉体的、及び精神的に大きなダメージを負った場合、すぐに知らされます。さて、着心地は如何ですか、マリエさん?」


「… 恥ずかしいです」


「おい、モニターが反応してるぞ。大丈夫なのか、マリエちゃん?」


「お母さんに言われました。貴方も頑張らないといけないって。だから、‥ 頑張ってみます」


う〜む健気だ。お兄さんは応援するよ。


「おばあちゃんは言いました。人には頑張らなければいけない瞬間があると。キャストオフ」


おばあちゃんはそんな事言わないよ。ってか、いつ現れたアーウラさん。


「うお、いきなり現れましたね、アーウラさん」


アーウラさん、スーツ手に入れてから神出鬼没になってきたな。


「と、とにかく実際にグライドに乗って試してみよう」


マリエちゃんのシートは俺の操縦席の後ろになるため、先に乗ってもらう。が、体の小さいマリエちゃんではなかなかハッチまで登れずにいるので、後ろから抱き上げてハッチまで上げる。


「どう。せまくない?」


「大丈夫です」


俺も乗り込み、試験を始める。最初はまだ、ハッチを閉めないでテストする。


「マジックリアクター、起動しました。出力上昇中」


「すごいな、イエスタさんが試験をした時とは桁違いのパワーだ。マリエちゃん、無理はしないでいいからね」


「はい、… まだ大丈夫です」


「ハイパーキャパシティにチャージ開始しました。現在0.5%、0.6、0.7、チャージ率上昇。武器制限のロックが一部解除されました」


ここまでエネルギーが上がったのは、ここに来てから数ヶ月ぶりである。


「よし、試験としては成功だ。今回はここまでにしよう」


試験を 一旦終わらせようとした時、フロイデルさんからの無線通話が入ってきた。


「ガ、ガ、キュー、吾輩だ、フロイデ…ガ、ガ、ガ」


おかしい、ノイズがひどい。デジタル通信でこんなにノイズが乗るはずないのだが?


「見つけた。ガ、奴だ。…ドラゴンだ」




魔法少女、マジカルマリーw


挿絵(By みてみん)


左下は黒猫カーボン



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