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異性生命体サイボーグはスチームパンクな夢を見るか

初めて投稿する作品なので、色々やらかしてるとは思いますが、おおらかな気持ちで見ていただけると幸いです。



西暦2063年。 人類は謎の異星生命体ヴァーンと交戦中であった。

土星の衛星に前線基地を構築したヴァーンに対し、人類はグライドと呼ばれる人型兵器を使用しヴァーンの攻撃から地球を防衛していた。


強襲揚陸艦アスガルドは土星軌道から約1万キロのあたりを航行していた。アスガルドの内部には約100機ほどのグライドが格納されており、アスガルドの後方100キロに航行中の空母エンデバーと戦艦那由多には、それぞれ200機ほどのグライドが積み込まれていた。

これは人類が保有するグライドのほぼ半数であり、それだけでも今回の作戦の重要性がうかがえる。

アスガルド内ではグライドの発信準備のため、様々な人員がせわしなく動き回っていた。

グライドNo.680、機体名アーメスのパイロット、神楽坂景一は既に機体内で待機していた。

しかし機体チェックをするでもなく、自身で持ち込んでいたポータブル端末でゲームをしていた。

彼が行っているのはいわゆるMMORPGと言うもので、今まさにボスモンスターと交戦中であった。

ヘルメット内のホログラムモニターにゲーム画像を映し、回線は通常通信ではなく軍用の超高速即時通信に繋いでいた。

ここからでは通常通信で約2秒のタイムラグがあるため、それが嫌で即時通信を使用しているらしい。

贅沢である。

そもそもグライドの機体内で待機しているのも、用意された部屋では通常通信しか使えないのでグライドの通信機に接続しているのだ。

職権乱用なのだが、彼は気にしていなかった。

「景一、そろそろゲームをやめないと軍用回線の無断使用をごまかせなくなります」

グライドの人工人格エリシエルが注意するが

「もうちょい、もうちょいで敵を倒せるからなんとか粘ってくれ」

「本当にいい加減にして下さい。船内コンピュータの監視プログラムを回避するのも、もう限界です」

エリシエルの悲鳴に近い声があがる。

「あと5分、いや3分でいいからどうにかして」と景一が言った瞬間、モニターが暗転した。

無断使用がばれて回線が切られたらしい。

「あー、なんてこったい。1時間かけて9割以上HP削ったのに‥‥‥」

景一はがっくりと肩を落とす。

「エスターク隊長の方に報告が上がったみたいですよ。私は知らないですからね」

エリシエルが、そう冷たく言い放った。

「ヤバイ、ヤバイなあ。あの人怒らせると怖いからなあ〜」

エスターク隊長の怒った顔を想像する。

「作戦前のブリーフィングで会うんだから覚悟したほうがいいですよ」

「うー、どうしよう」景一は頭を抱えたが、しかし自業自得である。



作戦会議室ではエスターク隊長も頭を抱えていた。

「どうなされました?」隣にいた女性士官が不審に思い声をかけた。

「神楽坂の馬鹿が軍用回線を使ってゲームをしてたらしい」

それを聞いて女性士官は吹き出しかけた。

「でも作戦直前にゲームやってるだなんて、ある意味大物かもしれませんよ」

そう言った女性士官に対して

「大馬鹿か大物か、どちらかなのは間違いないな。まあいい。こいつをネタにして奴をこき使ってやる」

エスタークはニヤリと笑うとそう呟いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1時間後、中央会議室においてブリーフィングが始まる。

景一は会議室の後ろの目立たない席に座り、なんとかやり過ごそうと考えた。

暗い室内の中央に3DCGの画像が浮かび上がる。土星とその周辺を表すグリーンのラインがヴァーンの最前線を指し示している。


「ここがアスガルドの現在位置。そして後方の赤い点がエンデバーと那由多だ」

エスタークが画像を操作しアスガルド周辺を拡大する。アスガルド前方にヴァーンを表すオレンジの点が無数に表示される。

その数の多さに会議室内がざわつく。

「我々は3時間後に作戦を開始する。目標はヴァーンの新兵器と思われるポイントα。ダミーが無数に用意され今現在においても、どれが本物かわかっていない」

「では、どのようにして本物を見つけるのですか?」

1人のパイロットが質問する。

「グライド全機で哨戒にあたり、しらみつぶしに探すほかない。ある程度接近すれば重力検知器からのデータで異常が発見出来るはず。即時通信は常にオープン にしアスガルドで解析を行い、ポイントαの確定を行う」

エスタークは周囲を見渡すと机に両手をついた。

「ポイントαはマイクロブラックホールを使用した極所重力場を内包する空間兵器だと思われる。発見までは極力戦闘を避けろ。ポイントαに近づき過ぎるとグライドと言えど脱出出来ない可能性がある」


その後30分ほどブリーフィングは続いた。最終的に必要データは各自持ち帰り確認することになる。

景一はなんとかエスタークに顔を合わせずに戻ることが出来、ホッと一息つく。

そして持ち帰ったデータをグライド内で見ていたが、自分に与えられた索敵範囲が異常と言える程広いことに気がついた。

「なあエリシエル、俺の索敵範囲ってやたら広くない?」

「俺のじゃありません。私たちのです。あなたがあんなことをしたせいで私までとばっちり食ってるじゃないですか」エリシエルが不機嫌そうに答える。

「会議中、うまく合わなかったからなんとか誤魔化せると思ったようですが、あの人はそんなに甘くはないです」

「すまなかった。エスタークにうまく会わないようごまかせたと思ったが、こんな罠が仕込んであるとは思わなかった」

「私達ならやれると踏んでの事でしょうが、あの人も全く容赦がない。とにかく索敵プログラムを見直しましょう。普通にやっていたのでは、とても間に合わないですから」

「やれやれ、一体どれくらいかかることやら」

結局、 索敵プログラムの見直しは出撃直前までかかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「フォースゲートオープン、フォースゲートオープン」

艦内に戦闘用ゲートが開くアナウンスが響く。

「タカタタンタンタタタ、タカタタンタンタタタ」

グライドのコックピット内で景一は妙なリズムを口ずさんでいた。

「何のんきに歌ってるんですか?」

「いやあ、あのアナウンスを聞くと脳内でこの曲が再生されてねえ」

「遊んでないで早くカタパルトに移動してください」

「お前が聞いたのに‥」


機体をカタパルトに移動し発進許可を待つことしばし。

電磁カタパルトが発動する。

「アム○いきまーす」

「誰がアム○ですか」ツッコミが入る。

蹴飛ばされるような加速の後、グライドアーメスは宇宙に放り出された。


「ゼオフィールド展開、エーテルリアクター出力79パーセント。索敵モードに移行します」

グライドを加速させ索敵を開始する。

索敵プログラムに従いダミーのチェックを行う。

その時コックピット内に接近アラームの鋭い信号音が鳴る。

「ヴァーンの戦闘機。3機がフォーメーションを組んで接近中」

三体のヴァーン戦闘機が近づき、攻撃を仕掛けてくる。

「回避パターンbを使う」

ヴァーンの攻撃を避けながらチェックを続ける。

「エキゾチック物質の痕跡を発見。ポイントαの可能性があります」

さらに接近しつつパッシブセンサーによる観測を行う。

「アスガルドからの解析結果はまだ出ないのか?」

「解析結果来ました。どうやらビンゴのようです。このまま戦闘モードに入ります」

リミッターが解除されリアクターの出力が跳ね上がる。

ヴァーンの戦闘機を螺旋を描くように飛びながら回避し、ポイントαに接近する。

「No.680、近づき過ぎだ。事象の地平線から戻れなくなるぞ」

アスガルドから警告が来るが、無視し攻撃を続ける。

ムチャな攻撃を仕掛けているのは俺だけではなく、他にも僚機二機が攻撃をしているのをスクリーンで確認。

「急激な重力場変動。強烈なX線ビームも発生しています」

「やべえ。マイクロブラックホールが出来かけてる」

予想より早くマイクロブラックホールが形成された事に彼は疑念を抱くが、今はそれよりも脱出の方法を考えるのが先である。

ゼオフィールド及びエキゾチックシールドを最大出力で展開する。

緊急アラームがけたたましく鳴り響く。

「事象の地平線が急速に拡大しています。このままでは逃げ切れません」

機体重量を減らすため余分なものを廃棄する。

「背囊をパージしろ」

その時凄まじい振動がコックピットを襲い、俺は意識を失った。


とりあえず、裏設定です。興味のない方は読み飛ばして下さい。


グライド 其の1


人類が創り出した最強かつ最速のロボット兵器。と思われているが、実際はロボットではなく異星生命体の脳を使用したサイボーグである。

2034年に人類と接触した異星生命体ゴル。人類とのコミュニケーションを行うために作った擬似生命を地球に送り出す際に使われた乗り物がオーバーグライドと呼ばれる異星生命体である。

オーバーグライドには生体慣性制御器官があり、それにより異常な加速減速、外部からの物理攻撃の防御がおこなえた。

人類との接触時、オーバーグライドは暴走し駐留していた軍の攻撃により破壊された。

生体慣性制御器官の有効性を考え、残った体組織のクローニングを行なったが、当時の人類の技術では完全な復元は難しく、脳及び慣性制御器官がある頭部の復元がせいぜいだった。

そのため復元できなかった体を機械で補ったものがグライドである。


プロトタイプグライドは8000ccのディーゼルエンジンによって駆動されていた。外部からの電源供給がない状態で約3時間程しか活動できなかったが、それでも現用の航空機、戦車などをはるかに超える機動力を持っていた。

現在では、マックスウェルリアクターが搭載されているので、活動時間はほぼ無限になり、ハイパーキャパシティの併用により瞬間的にその出力を上げることも簡単になった。


グライドの装甲は一次装甲と二次装甲に分けられる。

一次装甲は三層になっており、内部フレームに直接装着されている。

二次装甲は一次装甲の外側に取り付けらており、比較的簡単に交換整備できるよになっている。二次装甲も三層になっているが、装甲材の進歩等によりその構造が変わり、四層や五層になっているものもある。

一般的には表層は光学迷彩の投影層、中間層は熱や放射線、電磁波などを反射、防御する役割を持ち、三層が物理的な衝撃を吸収する発泡金属によって構成されている。

一次装甲は二次装甲と異なり、簡単に交換できないため、硬く耐久度が非常に高い物が使われている。

一次装甲の表層は熱に強く、中間層にはゲル状の充填剤が詰め込まれており、三層にはカーボンナノチューブによって強化された特殊鋼材が使用されている。

一次装甲と二次装甲の間には熱交換用のチューブが通っており、補修用のナノマシンの移動通路も兼ねている。


挿絵(By みてみん)


プロトグライドの試験運用の様子

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