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プロローグ
ぜったい-ぜつめい【絶体絶命】
困難・危険から、どうしても逃れられないさま。追いつめられ、切羽詰まったさま。▽「絶」は窮まる意。追いつめられ窮地にある立場や状態をいう。
―――[新明解四字熟語辞典]
人間、切羽詰まったときにこそ頭は目の前の現実から逃れるためか、妙に突飛な方向へ逸れることがままある。今まで動揺すると素数数えはじめる人を見て、そんな人間マンガの中ぐらいにしかいるわけないじゃ~~ん、って思ってきた。
だけど、今ならわかる。
これは逃避という、一種の自己防衛なのだ。
「それで、白鳥。お前はクラス全員が授業に出ている中、どこにいたんだ?」
私、白鳥エリカ。
ただいま、この学園で一番の権力者・花山院平馬と、その親友・西門和道によって、絶賛断罪裁判中です……。