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泡沫の記憶 / 願い

*書き出し:またあの声が聞こえる。

 三題:太陽/ナショナル/泡

 台詞:「損した気分……」

 テーマ:繋ぎとめる、それだけが目的だとして

 字数:575字以内    


 この中から全部使って書こう



【泡沫の記憶】(文字数(空白・改行含む):575字)


 またあの声が聞こえる。カーテンの隙間をぬって薄暗い部屋に割り込んで来る、真夏のどぎつい太陽光の切り裂く闇に隠れて、ひっそりと。その陽射しによく似た暴力的な掛け声が、それに応える群衆の声が、室内の静寂を神経質に震わせる。その中に紛れて。


 デモだ、パレードだ、と飽きもせずにお祭り騒ぎだ。叫ぶ内容なんて日替わりで変わるってのに。まるで湧き出ては消える泡のようだ。ナショナル・アイデンティティだか何だか知らないが、と昨今の風潮に男は眉をひそめずにはいられない。ゆっくり寝かせてもらえるなら、主義主張なんてなんだっていい。トップの首がすげ替わろうが、そんなことはどうだっていい。そう、どうだっていいのだ。あの喧騒に重なるあの声。あの声以外のことは、どうだって。


 あの微かな呼び声。あの声が、男の既に消え去った記憶を掻き乱す。


 初めは空耳だと思った。だが聞き覚えのある声だった。夢だと思った。あるいは自分は気がふれたのか、と。だが、声の聞こえる法則性に気がついたのだ。外からだった。それも通りの喧騒に紛れて。デモ隊の叫び声に応える声に交じっていた。隠れるように男の名を呼んでいる。誰が? 何のために?


 男の心をこのしようもない地に繋ぎとめる、ただそれだけが目的だとしても。男はこの地を離れることが出来なかった。あの声の主を確かめるまで――。




(あ! 台詞、「損した気分……」入れ忘れてた……。)





*『公園、災い、約束』です。250字以内で書いてください。


【願い】(140文字)


その公園にはどんな願いも叶えてくれる不思議な樹があると言われていた。しかし願いは叶うけれど、災いがもたらされると。「だから止めておいた方がいい」と言う友人の声を振り切ってやって来た。僕の願いに、樹は梢を揺すって応えてくれた。約束は果たされ、願いは叶い、その代償に僕は全てを失った。



***文字数(空白・改行含む):250字


 その公園にはどんな願いも叶えてくれる呪いの樹があると言われていた。「願いは叶うが災いがもたらされる、止めた方がいい」と言う友人の声を振り切って、僕はここへ来た。

 今以上の災いなどあるものか、そんな憤怒で一杯だった。恋人の心を失った僕は、自らの魂を失ったに等しい。


 彼女をもう一度僕の許に――。


 樹は梢を揺すって応えてくれた。


 約束は果たされた。願いは叶い、代償に僕は全てを失った。家族も友人も財産も。僕は甘んじて受け入れるより他はない。愛する彼女が、もたらされた災いだったのだから。







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