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料理 / 回り道  / 月見

*『裏表、スイッチ、味つけ』 140字以内で書いてください。


【料理】(139文字)

ヌーベルキュイジーヌで浴びる程の称賛のシャワー。だが彼はその言葉に裏表の意味をみる。褒めているようでけなしている。回りくどいその批評が男の闘争心にスイッチを入れる。味の解らぬ舌なんて、甘く蕩ける食感に、たっぷり刺激的なスパイスを振り掛け、涙が出そうに苦い味つけで痺れさせてやる。





*『後悔、回り道、帰り道』 280字以内で書いてください。


【回り道】(139文字)


ごめんね。その一言が言えなくて。後悔という鉛で押しつぶされて、帰り道の足取りは酷く重い。いつもと違う角を曲がって回り道。神社の境内で時間を潰そう。せめて普通の顔をして、ただいまが言えるまで。足が止まる。階段を上りきった鳥居の下にいたきみに、思い切り声を張り上げる。「ごめんね!」


***(空白・改行含む 278字)


 参観日にいつものトレーナーとジーンズで来た母が、顔から火が出るほど恥ずかしかった。どのお母さんも綺麗にお洒落しているのに。母はお化粧すらしていない。

 ごめんね。

 みっともないから帰って、そんな私の暴言に母は哀しそうに呟いた。後悔しても遅すぎる。母の時間は母の自由には使えない。来てくれるだけで精一杯だって解っていたのに。帰り道の足取りは酷く重い。だから、いつもと違う角を曲がって回り道。

 神社の境内で時間を潰そう。せめて普通の顔をして、ただいまが言えるように。足が止まる。階段を上りきった鳥居の下にいた母に、思い切り声を張り上げた。

「ごめんね!」






*『墓石、影法師、団子』です。100字以内で書いてください。


【月見】(100文字)


一人で飲むには美し過ぎる夜だった。友人の許へと訪ねてみた。先客が萩と団子を置いていた。煌々とした月明かりの下「団子よりこれだろ」と笑って墓石に酒を注ぐ。嬉しそうに、御影石に映る影法師がゆらりと揺れた。







――――


 今回は、短いお題ばかりでした!




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