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黄金色の朝・振り返り

 マグネット! 第五回三題噺。 お題は「満月」、「ロマン」、「泥」


「ゼロワンゲーム140」の「朝」をリメイク。


【朝】

一晩中もがき苦しんで父は事切れた。鎧戸を開け、朝陽に照らされる歪んだまま固まった父の顔を眺めながら、僕は紅茶を淹れた。父に殺され続けた僕の感覚が徐々に息を吹き返す。初めて紅茶に香しさを感じ、喉を通り抜ける熱に身体がほっと温まる。爽やかな風が吹き抜ける、僕の幸福な朝の始まりだった。



 初めに考えたのは、同じテーマの真逆な息子のツイノベ。「悪魔」と「死神」のリメイク。500字ほど書いて、余りにありきたりで平凡なのでやめた。


 ツイノベの感想で、息子は父を殺したのか? と訊かれたのだけど、父は病死です。息子は父が亡くなるまで、献身的に看病していました。殺すとか、反抗するとか思いつかないほど叩き潰されてきた息子です。


 何で色が出て来ないんだろう、と不思議に思っていました。大好きな情景描写。満月の夜なのに。マシューの月夜は、これでもかって描写いれたのにな。


 そうか、この一人称、彼の世界には色がないんだなぁ。


 汗は拭いてあげるのに、水はあげない。


 こういう微細な心理、説明なしで伝わらんだろう。どういう風に解釈されるんだろう、と気になる。



 そして、何人かの方の、親子関係の軋轢をテーマにした作品を読んで思ったこと。


 この主人公、マシュー(微睡む宵闇 揺蕩う薫香)や、飛鳥(胡桃の中の蜃気楼)にしてもそうだけど、抑圧された感情が、怒りに向かわない。


 飛鳥は内省的だからまぁ、あれだけど、マシューとかこの主人公の抱える恐怖心って、どれほどのものよ、と思ってしまう。


 怒るということは、健全な精神活動だと思ったのでした。



 マグネットでは今までで一番、反応の薄い作品になりそうです。

 感想を残すことに躊躇してしまいそう。それ以前に、共感できる部分もないのでしょう。

 

 でも自分では、今までで一番「らしく」書けたと思うのでした。


 私はあなたの心を見ている。知っている。けれど何も言わない。空の月のように。そんな感じです。






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