表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/49

お祝い / 呪文 / 道行

*『コサックダンス、スタッカート、ティンパニ』です。文字数は無制限なので頑張って書いてみてください!


【お祝い】140文字


スタッカートに降る雨の中、ティンパニの音が響く。初めて訪れた小さな村の結婚式では、村の男たちが円になり、代わる代わるコサックダンスを踊っていた。飛び跳ね、沈み込み、回転する彼らに圧倒される。伴奏とすらいえない只のリズムに乗って繰り広げられる饗宴に戦慄を覚える。僕の番が回ってくる。





*「さよならの前に覚えておきたい」で始まり、「それは優しい呪文」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば8ツイート(1120字程度)でお願いします。

#書き出しと終わり


【呪文】


さよならの前に覚えておきたい。桜色に染まる指先の感触。柔らかな唇の弾力。滑る汗の臭い。甘い吐息。生きていると確かめていた永遠の刹那。揺蕩う深海。青い鼓動。かけられた魔法が解ける。幻想が砕け散る。たった一つの言葉で。「愛している」それは優しい呪文。


***(空白・改行含まない):988字 8ツイート


 さよならの前に覚えておきたい。もう二度と味わうことはないのだから。


 あれほど固く約束したのに、どうして彼女は忘れてしまったのだろうか? それとも、覚えていて約束を破った? 全てを終わらせるために。



 薄闇に浮かぶ白い躰に指を滑らせる。

 桜色に染まる指先が震え、僕を捕まえる。


 柔らかな唇が僕を喰らい、刻み付ける。何度も囁かれる呪いの呪文。僕を縛りつけ深海に沈める。


 何度も喘ぎ、悶えながら、僕は水中で水をかく。溺れながら吐息をはく。虹色の泡を吐き続ける。青い、青い透明の中。


 柔らかな束縛はいつしか棘のような痛みに変わり、青に包まれた僕は息もできない。


 真っ白な飛沫の中、昇りつめる。光で揺れる水面を目指して。

 何度も、何度も、寄せては返す波に乗って。


 揺蕩うように。

 戯れるように。


 命を育むこの青に包まれて。


 それなのに。


 僕を現実に引き戻す呪いの呪文。

 躰中に刻みつけられた甘美な呪文。


 砕け散る、青の破片。



 絡み付く紅い蔓薔薇。


 揺蕩う光にもう手が届くというのに。

 粉々に砕け落下する。


 巻き付き締め付ける呪いに喘ぎ、

 落下し続ける螺旋の渦。


 だから駄目だと言ったのに。


 青はいつしか黒に染まり、

 闇の中に虚しく移ろう。


 恐怖に慄き僕は縮こまる。

 この何もない闇の中。



 ドクンドクンと躍動する音だけが響き渡る黒のうろ


 膝を抱えて蹲る。

 四方に広がる闇を見渡す。

 何も見えない洞に隠れて。


 パラパラと呪いの呪文が落ちて来る。


 砂塵のように。

 芥のように。


 天を仰ぐ僕の上に降り掛かる。


 ねっとりと固着する。

 僕を逃すまいと。



 饐えた風が通り抜け、

 双丘が揺れる。


 激しい地鳴りはやがて穏やかな呼吸に戻り。


 しっとりとした感触に、

 僕はほっとして目を開けた。


 繰り返される幻惑は既に破られ、

 甘美な時間は終わりを告げる。


 きみのその言葉で。


 約束したのに、

 何故、忘れてしまったの?



 もうそこに浸ることのできない黒く澱んだ官能の海の、

 遠浅の浜辺で僕は目覚める。


 濡れた海辺の砂浜は、塩の臭い。


 朝陽に光る細かな水滴。


 その柔らかな肌色に、僕は指を滑らせた。


『さ・よ・な・ら』


 ぴくりと跳ねる。

 桜貝が開く。


 だけど、届かないきみの声。



 名前を知られると消えてしまう悪魔のように、

 全ての色を消してしまう魔法の呪文。


 仄かに色づき、熱く燃え盛り、躍動する命の色を、

 殺してしまったのはきみ。


「愛している」


 最後に僕は囁いた。

 僕を縛る呪いの言葉を。


 だけどきみに取っては、

 きっと、それは優しい呪文。


――――


 8ツイなら起承転結で話作る方が、良さそうと思いながら…。ツイートって140字まとまりでつい考えてしまう。







*『頭痛薬、運命、嘘つき』です。140字以内で書いてください。


【道行】(137文字)


きみからの呼び出しの電話に、「すぐに行く」と返事をした。青葉の茂る木立を見下ろし、頭痛薬を飲んだばかりの朦朧とした頭でハンドルを握る。この山荘から街までのくねくねとした一本道に運命を預けた。嘘つきのきみに振り回され続けた僕が最後についた嘘に、きみは涙を流してくれるだろうか?







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ