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迷宮と骨  作者: sam
第一章:洞窟と骨
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夢日記

かなり色々詰め込んでます。これから小出しにしていく夢に注目していってください。


それは青。それは緑。それは赤。何色にも見える景色に視界を奪われその場でたじろいでしまう。雲を突き抜けそのまま天の果てまで続いていると錯覚させるほど高い塔に気圧されその場で尻餅をつく。ここに来てからどれくらい時間が経ったのだろうか。ほんの数分のようにも思え、何年も居たかのようにも思える。不思議な感覚が体にまとわりついて抜けない。どこで寝起きして居たのか、どこで食事を取って居たのか、どこで皆と触れ合って居たのか。何もかもがわからないあやふやな感覚が私の思考を邪魔する。どこでわたしは…どこで…。




「……!…い!大丈夫か、おい!」


聞いたことのある声がする。どこか懐かしいような声が。


「あぁびっくりした。いきなりぶっ倒れちまうんだもんな。このまま起きないかと思ったぜ」


頭の中にあの人の声が入ってくる。もう忘れてしまったあの人の声が。誰だったのだろう。今私が想像した人は。わからない。思い出そうとしても、なにも。


「マリー?本当に大丈夫か?さっきからなにも言わないし。顔色も悪い。どこかおかしいところでもあるかい?」


「あ、いや、大丈夫、です。」


分からないものは考えても分からない、そう割り切って彼と向き合う。数時間前に出会ったまま骸骨姿の彼だ。


「大丈夫ならいいんだが。飯を食い終わった直後にいきなり倒れちまうから、ホントに焦ったよ。心臓に悪いから次倒れるときはちゃんと言ってな?」


「意識ないのにどうやっていうんですか、もう」


「わりぃわりぃ、冗談だからさ、許して?な?」


他愛もない会話であの夢と現実との齟齬を埋める。あまりにも現実とかけ離れたあの夢は今でも脳裏に焼け付いている。現実がズレてしまうほどに。


「すいません、お水もらってもいいですか?」


「ん?りょーかい。今汲んでくるわ」


バケツをもってすぐそこにあるため池に行った彼を横目に見ながら深呼吸をする。大丈夫、大丈夫。不思議なことが起こりすぎてておかしくなってるだけ、そう心に諭して落ち着く。


「もって来たぞー」


ありがとう、と彼に言ってから水を飲む。今日起きた出来事に疲れたのか直後眠気がやってくる。


「すいません、寝床ってありますか?もう限界です…」


「寝床かい?あそこにぽっかり穴が空いているだろう?あそこの中が寝床になってるぞー」


教えてもらった通りの場所に行き、確認もせずに寝転ぶ。下にはふかふかな羽毛で出来た敷物が敷いてあり、かなり快適な空間だった。彼に感謝しながら眠気に負け、眠りにつく。




暗闇の中に光る何かを見た。ゆらゆらと揺らぐ光を。まっすぐに伸びる光を。色々な光を見た。光と闇は決してどちらかに偏ることはない。光があれば闇がある、闇があれば光がある。どちらかがなくなればもう片方も自ずと消えていく。どちらも無くなったところは漏れなく新しい光と闇が産まれる。私はそれを見ながらこう呟いた。


「いつまでも一緒にいてね?」

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