坂口恭平だってさ
僕の坂口恭平像を書き殴ってみました。真偽のほどは定かではないので確かめて下さい。
2018/5/5。
「超精神ノマド」を「超現実ノマド」の方がいいかも!
私が今回考察するのは坂口恭平である。彼は建築家であり小説家であり歌い手、踊り手であり新政府初代内閣総理大臣であり水である。建築家として、ホームレスのフィールドワークから彼らを都市空間で真に生きる存在“サバイバー”と定義して執筆した「0円ハウス」、そこから発展させ土地所有の観念を転換させる不動産ならぬ“可動産“「モバイルハウス」は昨今において非常に興味深い。しかし彼を語るうえで私が外せないのは躁うつ病という特性である。私は彼を超現実ノマド(遊牧民)だと思っている。これはふざけて言っているのではない。彼の存在がこのドン詰まりのポストn乗モダンにおいて新しい共同体概念になるのではと期待しているからだ。いや、もう概念は起こっている。彼の言い方をすればそのレイヤーに入っていけるか否か、我々の手にかかっているのである。
私は彼の言葉に論理を超えた力を感じる。無論、彼の言葉が論理的に破綻していることなどないが、それは今までの知識人のそれとは違っているのである。私はそこに彼の特性である躁うつ病を見る。このような言い方をすると語弊があるかもしれないが、私は障がい者を見るのが好きである。それは彼らが健常者以上に自身に対して鋭い考察をしているからだ。彼らはそのハンデキャップの中で自らの生きる意味を問うている。それは健常者の比ではない。そんな彼らの言動は身体とのシンクロしている。健常者は己への観察が足りぬためこのような状態になるのは難しい。彼はハンデキャップがあるから己を観察せねばならない宿命にあるのだ。ゆえに彼らの言動は力強く美しい。ここで坂口恭平である。彼も躁うつ病というハンデキャップを負っている(彼の場合はハンデと呼んでいいだろうか?)。年に数回うつ状態になり自死念慮に襲われるそうである。私は彼はそこで己への観察をしていると考える。彼は”サバイバー“としてのホームレスをこう言った「彼らは自分に必要なものを明確にし、都市社会に対して鋭く観察し、狩猟=拾ってくる。それは自分地図を作るということである」ゆえに、坂口恭平の観察は世界へと向けられる。自分地図を作り世界を定義=ブリコラージュ?していくのである。それは人間の本来なら当たり前の本能である。この消費世界ではどうかは定かではないが。彼の特異性はここからである。多くの知識人はそれを伝えるために学術的な観念を用いる。そうしなければ世界を定義できないからである。しかし、坂口恭平は違う。彼はうつ状態で作り上げた自分地図を躁状態に持ってくることで体現するのである。彼はその体に世界を宿すのである。こんなことを書くと私がどこぞの熱心な信者になってしまうかもしれないが、彼を初めて知った時の衝撃を私はこのようにしか言い表せない。私は彼がシャーマンではないかと疑ったほどである。それほどに言い表せぬパワーが彼にはある。
ところで私は初めに彼を超現実ノマドといった。これはどういう意味か。彼がただのノマドではないということである。彼にはこんな話がある。3.11が起きて新政府を立ち上げた彼だが、一時新政府初代内閣総理大臣を辞任したことがある。それは、新政府が本物の政治活動になりかけたからだそうである。私はそれを見事!としかいえない。寺山修司は市街劇で演劇が町社会を飲み込んでいくことで、原始人類の経済の始まりはまさにアート=演劇だったということを示そうとしていた。これは寺山修司が現今の経済の根源がアートであるということを嗅ぎつけているからである。私は坂口恭平もそこにコミットしていると考えている。彼はあらゆる現今の社会概念に身体的解釈を与えてすべてアートにしようとしているのである。これこそがノマドとはことなる超現実ノマドの所以である。今までの社会概念への解釈、政治活動になっては意味はないのだ。ノマドというと私はモンゴルのゲルに住んでいる人々を連想するが、坂口恭平が彼らと同じとはどうも思えない。仮に彼がモンゴルのノマドの一家に生まれたとしても何かをしていたと思う。それは彼は自然とともに生きるという単純な縮図に収まらないからだ。彼は世界と交信する。自分地図を世界概念に対して狩猟=ブリコラージュ=器用仕事=創造するのである。その身体を持って自然と対等に共生するレベルに我々を誘うのである。進化として生まれる新種は当初は異常な存在に見えるものかもしれないのだ。
ここまで書いてみたが非常にきな臭くなってきたのでここらへんでやめておく。坂口恭平は現在進行形であり、これからも変化していくだろう。私は一新政府国民として行動したい。
ちなみに私は竹と布でモバイルハウスを作ろうとしている。木が馴染まなかったからだ。0円特区ができたら移住も念頭にある。新しい共同体概念はある。そのレイヤーに入っていけるかどうかだけだ。