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魔獣を従えし英雄  作者: 神原 優仁
第1章
9/30

迫害

遅れてすみませんでした

「魔従...師...」


優也は自分のステータスプレートを見て呆然と声を上げる。

仕方ないだろう、既に滅びたはずの魔従師の天職が自分にあったのだから。


「リ...ユ...、こ、これ!?」

『ぬ?なんじゃやはり魔従師だったのか?』


リユが冗談目かしてそう言うと優也が首をはち切れんばかりに縦に振る。

優也の尋常じゃない様子にリユは優也にステータスプレートを見さしてもらって目を見開く。


『まさか、本当に魔従師とは、お主まさかこの世界のものではないのか?』


今頃ながら優也に何処から来たかを聞くと優也はああと頷いてからどこから来たかを言う。


「俺は日本って所から来た、その、ちょっと前にこの世界に召喚されたんだ」

『なんと...それなら納得できるな、魔従師は滅びたはずじゃからな異世界から来たのならその力を持っていてもおかしくない、それで何故お主はこの世界に召喚されたのじゃ?』


そう問われて優也はこれまでの経緯を説明する。

するとリユは難しそうな表情をして唸る。


「どうしたんだ?」

『いや、少し引っかかる所があっての、本来魔人族はそのような事をする訳がないのじゃ』

「それはどういうことだ?」

『魔人族とはな、魔力が多い事からその肌は白く髪は銀色なのじゃ、しかしただそれだけ、つまり魔人族は人と同じなのじゃ、考えても見ろ魔力が多いだけなら勇者はどうなる?迫害の対象になるか?それに魔人族は他の国に攻め入る程領土に困っておらん、つまり魔人族は領地拡大の為に人類の領土に攻める意味などないのじゃよ』

「じゃあ今のこの状況は何だよ!?」


魔人族とは神に教えられた限りだと本来残虐な存在なのだ、なのに魔人族はその様な存在ではないと言われたのだ、食ってかかりたくなるところだろう。


『恐らくじゃが...黒ずくめが関係してるのじゃ』

「いや、黒ずくめがいたのって今から何百年も前なんだろ?」

『現れたのは魔従師の件以外にもあるのじゃ』

「どういうことだ?」

『それはのう、魔従師の件よりも何百年前、第一次魔法対戦が起こった、それは資源を独占していた国の国王が暗殺されたことで起こった戦争だ、そしてこれまたその国の国王は本来民のことを第一に考える心優しいものだったのじゃが、しかしそこに黒ずくめが現れた、そして国王を狂わせ戦争の原因を作った、黒ずくめはその時も直接手を出さず傍観者を貫き通しておったよ、つまり魔人族に黒ずくめが現れた可能性は大きい...』

「でも、そうしたらそいつは今も生きていてこの世界の戦争の原因は全部黒ずくめのせいなのか?」

『恐らくな...確信は持てないがのうやり方がその者と似ておるからな、それに先も言ったろう?この世界はあまりにも神と近すぎる、と...』


リユのその意味部下な言葉に優也たちは目を見開く。


「なんだよ、じゃあ黒ずくめは神だとでも言うのか?」

『この世界にはのう、創生と破壊の神がいる、お主があった神が創生ならば、破壊の神は何処にいる?またその目的はなんだと思うじゃろう、簡単なことだ、破壊の神は戦を起こす、起こす事で自分の存在を確立させるのじゃ』


リユは目を閉じ一つ区切ると続ける。


『黒ずくめは破壊の神なのかもしれん』


淡々とリユは語る、それはこの世界には興味はないと言ってるように淡白な言葉だった。


「な、何でそんなに簡単に言えるんだよ...」

『それは私も人に迫害されたものじゃからさ』

「えっ?」


リユは声を自嘲気味な響きに変えて続ける。


『魔従師は滅ぼされた、これはさっき言ったな、ならば答えはすぐに出るはずじゃが?』


リユはそこにいる二人に問いかける。

優也はあまりの事実に驚愕して動けないが千智は優也より先に立ち直りその答えを出す。


「魔従師に...関わったから?」


千智がそう言うとリユはその長い首を伏せながら頷く。


『その通りじゃ、龍の加護、これを魔従師に与えることで魔従師はその力を開花させた、人類は魔従師を滅ぼすと決めてたがな龍がいては魔従師は潰えぬ、ならばおのずと答えに辿り着く、それは龍をも滅ぼすということじゃ、私はその魔の手から逃げ切りそしてここに身を隠すことになった』

「そんな事が...」

「......」


リユのその言葉に優也達は悲痛そうな顔になる、いくら人達が黒ずくめに促されてしまって迫害を始めたとしても始めたのは変わりはない、歴史は変えられない。

リユはそんな人達を傷つけるのではなく自らが身を隠すことでその戦を終わらせるならばいいと考えたのだろう。

しかし、永久の時の中を一人寂しくこの暗い所にいるなど悲しいものだ。

一人この場所で誰にも知られることなく朽ちて行くのだ。

普通ならば耐えきれないだろう。


「リユは、それでいいのか?」

『ぬ?』

「一人でここにずっといるのか?」

『もとよりここからは一人では出ることもできないのでな、出たくても出られぬ』

「ここには俺たちがいるじゃねぇか!」


優也は熱が入ったようにリユに声を張り上げながら続ける。


「そんな風に迫害されて、それに抗わないで黒ずくめの思いどおりになってもいいのか!?リユが加護を与えた魔従師のように人達が好きなように踊らされてもいいのか!?そんな風に諦めてたら何も始まらない、始まりもしない、それなら!」


優也は決意を決めた表情でそして自分の持つ魔従師の力を信じてリユへとその手を伸ばす。


「俺と...契約しろ!」


次回でタグにある一つが達成できると思います。


魔物っ娘ってほどだから大体は予想できますよね?


次回はクリスマス外伝を書こうと思います。

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