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魔獣を従えし英雄  作者: 神原 優仁
第1章
8/30

戦いの真実

『お主、魔従師か?』


その質問に対して優也は頭の上に?を浮かべまくった。


「魔従師?なんだそれは?」

『ぬ?知らぬのか?何やらお主からそのもの達と同じ気配を感じ取ったからお主もそうかと思ったが...いやしかし魔従師は既に滅びたはずじゃな、じゃが何故優也からはその気配を感じ取ることが出来るのだ?』


リユは最後の方はブツブツと呟くように言っていたが優也は逆に気になり大声をあげて尋ねる。


「だから魔従師ってなんだよ!?」

『ぬ?すまん、考え事に更けてしまっていた、魔従師じゃな、簡単に言うと魔の者、つまり魔物を従えることが出来る者の事を指す言葉じゃ』


その言葉を聞いた優也は目を見開く。何故なら魔物は本来は誰にも従うこともなく、本能のままにあらゆるものを襲う化け物なのだ。

しかしその魔物を従える事が出来るということはその魔従師と言うものは特殊なのだ。


そこでリユはしかしと続ける。


『魔従師は既に滅びておる』

「え?何でだ?」

『考えても見ろ、魔物とは本能のままに生きる敵、つまりはその者たちを従えるという事はそれだけで害悪にもなるのじゃ』

「でも、昔はかなりいたんだろ?」

『他にも理由はある、少し長くなるがな、そしてこの世界の問題の元凶を聞くことになるがそれでも聞くか?』


問いかけるような視線でリユは優也を見る。

それに対して優也は隣にいる千智を見る、千智は優也に全て任せると無言で頷く。

優也は覚悟を決めてリユの方を向く。


「世界の問題の元凶だか何か知らないが、俺は、その事を知りたい」


優也がそう言うとリユは満足そうに目を細めて頷く。


『そうか、ならば聞くが良いこの世界の真実を』


リユは何処か遠くを見るように話し始める。





『かつて魔従師はその数は少ないが珍しいというほどのものではなかった。

魔物とも今ほど関係は悪くなかったがやはり神敵と言う概念もあった。

その時の私の役割は魔従師に龍の加護を与えることだった。

魔従師は何故かは知らぬが必ず最初は天職の欄が非表示になっており龍の加護を与えることでその力を開花させたのじゃ。

龍の加護とは加護を与えた者の秘めたる力を開花させるための加護なのじゃ。

だからか魔従師との関わりも自然と深くなるものじゃよ』


リユはそこで苦笑いすると顔を引き締めて続ける。


『しかし、魔従師は滅びてしまった、それは何故かというと魔従師に神に取って代わろうとしたものが現れたからじゃ。この世界は神と近すぎる、神と会うことができるならば変わることができるのでは?と考えるものも出てしまう、そして一人の魔従師がそれを実際にやってしもうたのじゃ』

「それだけじゃ魔従師は滅びないだろ?」

『まだ続きはある』

「なら続けてくれ」

『うむ...、その魔従師は本来そのようなことをやるものではなかった、何故私がそう断言出来るかというと皮肉な事にその者に加護を与えたのは私だったのじゃ、その者は心優しく思慮深い人物だった、じゃがある日現れた黒ずくめの人物がその魔従師を誑かし破滅の道に導いた、その者は戦いを望む人物だった、そいつは言った「人とは本来争うものだ、人とは殺しあうものだ、ならば今の世界は間違っている、その間違いを正すために私は戦いを望む」と...狂ってるとしか言いようがない言葉じゃ、しかしその者はかの魔従師に神に変われば全てを救えるなどと甘い言葉を聞かせ、狂わせた』


リユの語った事実に優也達はただ目を見開き驚くことしかできなかった。

神とは話したことはあるがアスフィルは何処か遠い存在に感じられたのだ、だから彼女の存在に近づこうとする人がいたのだと聞いて驚いたのと、黒ずくめの人物が言った言葉が狂ってるとしか思えなかったのだ。


『もちろんその魔従師は打たれた、しかしそれだけでは人達は足りなかったのか他の魔従師にまで手を出し始めたのだ。一人の魔従師をその手にかけたことで不満が爆発したのだろう、そしてそれからは予想通りじゃよ、全くもって黒ずくめの人物の思い通りじゃ』

「そんな事があったのか...」

「酷い...」

『ここで話は変わるが優也』

「なんだ?」

『お主に龍の加護をかけてみないか?何、損はないそれにお主は見る限り天職が分からずじまいじゃろ?』

「その通りだけど...」

『ならばお主に龍の加護をかけて天職を判明させる、良いか?』


優也は少し考えるように俯くが次、顔を上げた時は覚悟を決めたいい表情をしていた。

優也自体、天職が分からずじまいも嫌であり、そして、千智を守るためには力がいる、だからないものすがりより今訪れた機会を試すのがいいだろう。


「ああ、頼む」

『そうか、ならばすぐに終わるからな、目をつむってろ』


言われたとおり優也は目をつむる。


『この小きものに我が力、我が魂を分け与えよ』


リユがそう呟くと優也の体を金色の光が包む。

優也は体の力がみなぎるような感覚がした。


『目を開けてよいぞ、さあステータスプレートを見るのじゃな』


優也は言われたとおりポケットに突っ込んでいたステータスプレートを取り出し天職を見る。

その天職の欄にはこう書いてあった。


ーー魔従師ーー



寒くなってきましたね〜。


学校に通うたびあまりの寒さに絶叫をあげています。



優也がやっと魔従師になりましたあと次の話でかなり進むかと思います。


次の更新も4日後です。

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