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魔獣を従えし英雄  作者: 神原 優仁
第1章
6/30

バジリスク、そして崖

3日ぶりの投稿

「シュアァァァアアァァ!!!」


バジリスクがそのアギトを開きクラスメイト達の方に動き出す。

突然の事とクラスメイトの死に大体の生徒はその身が硬直してしまい動き出せないがその生徒達の前にある人物が出る、そして...


「錬成!!!」


そう叫ぶと床がせり上がり4m弱の壁が出来上がる。


そう、優也だ。


優也は修斗が叫んだ時何かやばいと身構えており、咄嗟に動くことも出来た。そしてその持てる魔力をありったけ注ぎ戦いの中で上がった錬成範囲、錬成技術により4mの壁を作ることに成功したのだ。

そしてそれにバジリスクは大きく開けた口をそのまま衝突させる。


「ぼさっとしてんな!このままだと死ぬぞ!」


後ろを振り返りクラスメイト達に怒声をかけると、クラスメイト達は冷水をかけられたかのようにはっとしそして詠唱を開始する。


バジリスクは蹂躙劇を塞がれたことにイラついたのか咆哮を上げると胴体の半ばに付いている腕を振り上げ錬成により出来た石壁を殴りつける。

殴られる度に破壊されて行く壁を優也は錬成することで壊れないようにする。

殴られたら錬成、殴られたら、錬成を繰り返すことで優也の魔力はどんどん持ってかれる。


「上木!下がれ!」


修斗が声をかけると優也は急いで下がる、すると色とりどりの魔法がバジリスクに直撃する。

弾幕が止み辺りは煙に包まれる。


「やったか!?」


誰かがそう言うと煙を振り払いながらバジリスクが怒りの咆哮をあげながら無傷で現れる。


「そんな...」


クラスメイト達の顔に絶望が浮き始める。

そんな中優也は前に出るとまた錬成し今度はバジリスクを囲うように壁を作り出す。

突然現れた壁にバジリスクは驚くがその身を巻きながら剛腕をもって壁を破壊しようとする。

しかし、優也もやられてばっかりではなくまた錬成により強度を上げて破壊させない。

そしてバジリスクを囲い終わったら錬成により体を固定にかかる。

その途中で土属性に適性をもつ生徒達も参加し即席の牢獄を完成させる。


牢獄がバジリスクが動くたびにミシッと嫌な音を立てるが暫くは持ちそうだ。


「早く、あの橋に!」


橋に向かい走り出す。


しかしここで簡単に行かせないのがダンジョンクオリティ。


橋の半ばに差し掛かると後ろにあるバジリスクが現れた魔法陣がまた赤く輝き始めると中から人型の竜のような魔物が現れる。

その魔物はその手に剣を持っておりまた凶悪なアギトが噛み殺さんとばかりに開け閉めされている。


「くっ、今度はリザードマンかっ!」


団長が呻くような声でその魔物の名を呼ぶ。


リザードマンと呼ばれた魔物は通常30層にいるはずの魔物だ。

何故それらの魔物がここにいるのかと言う思考を回す前にリザードマンは咆哮をして走り出す。


「迎撃態勢!」


団長が声を張り上げるとクラスメイト達はその手に持った武器を構え、また詠唱を始める。


団長が先陣を切りリザードマンに斬りかかる。

修斗もその聖剣に光を宿らせリザードマンを一刀両断にする。

大輔は手に持ったダガーをリザードマンの手や足に斬りつけ行動不能に陥れる。

そこに後衛にいる麻里香が的確に火炎弾を当てる。


「ナイスアシスト!」


大輔が麻里香にグッドサインを送ると麻里香はVをして微笑む。


優也は錬成により来るリザードマン達を崖の底に落として行き、また窮地に陥っている生徒の前に壁を作り援護する。

度々魔力が切れそうになるが千智の回復魔法によりすぐに魔力を回復させる。

そうしてるうちにリザードマンの数も目に見えて減り始める。


「次、大技をぶっ放して離脱するぞ!」


団長がここを好機と見たのか生徒達に指示を飛ばす。

前衛に出てたもの達は一撃大技をかましその反動で後ろに下がる、そのタイミングで後衛の最大威力の魔法がリザードマンに降りかかる。

この出来た隙に生徒達はもつれる足を必死に前へ前へと走らせて橋の奥に辿り着こうとする。


そのタイミングでバジリスクを捉えていた牢獄が音を立てて崩壊する。


バジリスクはその瞳に怒りを宿しており必ず殺すとばかりに睨む。

優也を見つけると怒りの咆哮を上げながら凄まじいスピードで詰め寄りそのアギトで噛み殺そうとする。

優也はその途中で振り返り壁を形成するがその壁をも砕き優也に噛みつこうとする。

もうダメだと諦め掛けた時小さい影が優也の前に躍り出る。

そしてその手を前に突き出すと。


「光の精霊よ、今ここに絶対なる守りを!"光壁"!」


その詠唱により、文字通り光の壁が現れバジリスクの進行を止める。


「千智!!!」


そう優也の前に現れたのは千智だったのだ。

千智は悲痛そうにその顔をしかめながら優也の方に顔を向ける。


「私が...ゆう君を...守るって決めたんだから、だから、絶対に守る!」


その叫びと同時に光の壁が一層光を強くする。

しかしバジリスクの進行は止まらず光の壁は次第に押され始めミシッミシッと音を立て始める。

そしてその拮抗は終わる。


光壁がバリン!と音を立てながら割れる。

そしてバジリスクの頭が壁により下に傾いたことでドスンと音を立てながら床に衝突する。

その風で千智の体は吹き上げられその身を奈落と言う崖に落とす。


その時、優也は時間がやけにゆっくりに感じられた。

そしてあの時の光景を、言葉を思いだす。


『なら俺が守ってやる』


あの時の言葉がこれだと嘘になってしまう、約束が守れなくなってしまう。


「約束は、絶対に守る...」


優也は崖に向かって走り出していた。

バジリスクが優也に噛み付こうとするが錬成してそれを逸らし千智へと走る。崖の淵を踏み空気をきり千智へと真っ直ぐ手を伸ばし声を張り上げる。



「千智ーー!!!!」


その声に目を閉じていた千智は目を見開き涙を流し赤く腫れていた目元に微笑みを浮かべ声を上げ手を伸ばす。


「ゆう君!!!」


優也は必死に手を伸ばし千智の手を掴もうと空を切りながらも必死に手を伸ばす。


空を切りあった手がやがて繋がり指を絡ませる。

優也は力のままに千智の体を引き寄せその小さい体を抱き剣を片手に持ち壁に突き立てこれまで優也を救ってくれた魔法の詠唱をする。


「錬成!」


剣がその形を変えぐにゃっと音を立てながら壁にぴったりと付く。

勿論急激に停止したことで優也の腕は悲鳴を上げるがこれまで鍛えたおかげで落ちはしない。

優也は絶対に離してなるものかと千智を抱く腕に力を入れながら剣を掴む腕にも力を入れる。


痛さに脂汗を浮かべ苦悶の表情をしていると千智が心配そうに優也の事を見てくる。


「大丈夫、ゆう君!?回復魔法かけた方がいい!?」

「大丈夫だ、取り敢えず今は助かることだけ考えろ」


そういい優也は周りを見渡す、すると少ししたのところに横に続く穴を見つける。


「千智、取り敢えずあそこに行こうと思う、どうせ上に行けないだろうし落ちるよりかはいいだろ?」

「分かった」


優也が提案すると千智はすぐに了承する。

優也は千智に腰についていたロープを剣に巻いてもらってから錬成技能、錬成物質増加の効果によりロープを錬成しながら横穴まで降りて行く。


この行為が蛇が出るか仏が出るかそれはこれからの二人の運次第になるだろう。

最近自分はちゃんと書けてるのか不安になってきます。


次の更新は出来たら金曜日です

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