異世界召喚は神によるものでした
異世界に召喚されました〜。
早めの投稿です。
今回は前の二分の一程です。
突然の閃光に思わず優也は目を塞いでいると体が持ち上げられる感覚がしたかと思えばやがて地面に着地する感覚がする。
目を開けるとそこは白い大理石の上だった。
千智達は大丈夫か心配になり目を向けるとそこには普段と変わりない千智達がいて安心する。
落ち着いてきてから周りを見渡すと周りには白い修道服を着た女性たちが祈りを捧げるような格好で跪いている。
正面には慈愛の表情を浮かべた聖女のような女性の像が立っている。
その女性の像の下に同じ姿、同じ容姿の女性が立っている。
慈愛に満ちた微笑み、ゆるくカールがかかる純白の髪、全てがまるで作られたかのように整っていた。
男子の大体はその女性に目が釘つけになっていて周りの女子から冷たい目線を頂いている。
女性はおもむろに前に進み出し凛とした声を張り上げる。
「ようこそ、セフィラムへ、勇者様、ご同胞の皆様、私はこの世界の神であるアスフィルでこざいます」
そういいアスフィルと名乗った女性は微笑む。
「こんなところですみません、今すぐ場所を変えますので」
アスフィルと名乗った女性はおもむろにその手に持った錫杖を床につく、すると周りの景色が突然変わりだし次第に晩餐会の会場のような場所に変わる。
「お好きな所に座ってください」
まだ状況を飲み込み切れてないクラスメイト達は促されるままに席に座る。
クラスメイト達が全員座った事を確認するとアスフィルはもう一度錫杖をつくと机の上に豪華な食事が所狭しと並べられる。
全員の前に食事が置かれたことを確認するとアスフィルが話を始めた。
「突然の事に混乱しているようですが、どうか真剣に聞いて欲しいのです」
どうやらアスフィルによるとこの世界は魔のものに侵略されており次第に人の住むところが限られてきてしまっているらしい、つまり優也達は魔のものを倒すために異世界、セフィラムに召喚されたらしい。
なんとも勝手な話だとしか言いようがない。
実際先生を筆頭に反論の声が上がる、突然異世界に召喚されたかと思ったらいきなり戦って欲しいというのである。全くもって理不尽極まりないと。
しかし、その時優也はアスフィルの表情を見て何か大事なことを隠してるのでは、と思った。
「いきなり異世界に召喚されたかと思えば戦って欲しいなど無理です!それにこれは完璧に誘拐です!」
声を上げて反論する彼女は優也達のクラスの担任、一条 綾瀬、大人の色気を漂わせるような容姿をしており、普通だったら男子に好かれ、女子には嫌われそうな感じだが話してみると何気無くお茶目であり、人当たりもよくそれに生徒思いときたものだから女子生徒にも受けがいい。
「その事については本当に申し訳なく思います。こちらの世界の事情で勝手にこちらに連れてきてそして戦えと...…しかし、こちらも手段を選んでいられる程に余裕はないのです」
「そ、そう言われてもこちらは戦いなど知らないのです、そんな子達に戦わせるなど」
「その事についてはご安心下さい、貴方方のいた世界はこの世界とは別にあり、そして上位の世界にあるのです、なのでその世界に住む方々達は例に漏れず強力な力を持っているのです、優秀な教育人材もつけます」
「そう言われても..….」
「俺はこの世界の人たちのために戦おうと思います」
綾瀬がアスフィルと話してると横から修斗が割り込んでくる。
「矢沢君、でも貴方はそれでいいのですか」
「この世界の人達が困っているのですよ、救ってあげるのが道理です」
「でも、元の世界に、日本に戻れないかもしれないのですよ?」
「その時はその時です」
修斗は立ち上がりクラスのみんなに呼びかける。
「みんなもこの世界を、救ってあげようと思わないか!」
修斗のカリスマレベルMAXの呼びかけにクラスの奴らはすっかりこの世界を救うムードになっている。
「ちょっ、駄目ですよ、もう、皆さん聞いて下さい!」
綾瀬の言葉を聞く人は誰もいなかった、優也はそちらにどんまいですという感じに哀れみの視線を送ってこれからの事を考え始める。
(取り敢えずなんか異世界ものに良くあるテンプレだと矢沢が勇者になるんだろうな、これ)
みんなを纏めている修斗はこの流れに酔っている感じだが明らかに優也は修斗が勇者になると見切りをつける。
修斗は日本でも運動神経抜群だからこの世界に来たらスペックがどうなるのか計り知れない。
反対に優也は運動神経は普通、つまり普通のスペックになる可能性が高い。
(俺、特技とか特にないからな〜、めんどくさいことになりそう)
優也は現実逃避気味に視線を明後日の方向に向けながら一人考えに耽る。
それを隣にいる千智は不思議そうに見ながら優也に不安そうに寄り添うだけだった。
あの後各自部屋に案内されてからいつもの四人で集まり話し始める。
「なんか、フラグ回収されちゃったな、これ」
「あの時にゆう君が魔法陣が現れるかもって言ってたからね」
「マジで出るとは誰も思わないだろ」
優也の冗談に千智は真面目に答えたので苦笑しながらツッコミを入れる。
「それにしても、これからどうしたらいいんだろうね〜」
麻里香はこんな状況でも間延びしたような喋り方を変えずに動揺もしていない。
「なんか流されるままに戦うことになったからな!」
大輔も相変わらず元気に喋る。むしろ元気すぎてうるさい程だ。
「一番の問題がそれなんだよ」
「え?」
「どうして〜?」
「なんでなんだ?」
三人は優也のその言葉にそれぞれ頭に?を浮かべる。
「異世界ものな定番といったらこれからステータスプレートとか配られてそれを見ることになるんだよ」
「それでなんでそれが一番問題なの?」
「この中で多分一人くらいは平凡のステータスの奴が出るってところだよ」
「ああ〜、それでその人が周りの人にどういう扱いを受けることになるかが問題なんだね?」
「そう、そこが一番の問題、それに周りの奴らは絶対自分の力に酔う可能性がある、ということはこの突然の異世界召喚という混乱の中で対象にされちゃうのがそいつになるってところなんだよ」
「いじめが起きるってやつか」
「そんなのやだよ!」
優也の答えに三人はそれぞれの反応を返す。それに対し優也はだからなと続ける。
「で、だ、そんな奴が出たら俺たちで庇ってやらないか?」
「そんなの当たり前に決まってるだろ!」
「うん、いじめダメ、絶対!」
「うん!」
優也が何故突然こんな話を持ちかけ
だかと言うとただそんなことは起こってはいけないと思ったからだ。
持ち前のお人好しから自分がなんとかしなければと一人決意を固めたからだ。
そんな優也に千智は少し不安げな表情を見せたが小さく手をキュッと握り、私も頑張ろうと小さく呟いた。
そして次の日にクラスメイトは全員大広間に集められステータス確認が行なわれることになった。
これからテストがあるので更新が少し遅れる可能性があるのでテストまでにできる限り多くだして行きたいです!
後なんかヒロインの千智がむしろ主人公のような感じになって来ました(笑)
果たしてこれから優也は主人公ポジションを保って行けるのか!w
見てくださる方々これからもどうかこの作品に末長く付き合って行って下さいm(_ _)m