聖水温泉(問題あり)
今回は休憩回です。
少し遅れてすみませんでしたm(_ _)m
優也たちは猛威を振るいながら迷宮を破格の勢いで進んでいく。
「邪魔だ!」
優也は手に持った焔剣を横に振るいトカゲのような魔物の体を両断する。
「通らせて貰う!」
リユは翼を広げ羽ばたきながら空中にいる魔物を炎弾の餌食にして行く。
「落ちてください!」
ユキは空歩を応用して透明の壁を魔物の上に発動して押しつぶす。
「す、すいません!」
サキは光を纏った足で魔物の上をぴょんぴょんと華麗に飛びながら目の間の前に出てくる魔物をビクビクしながらも剛脚で蹴り飛ばす。
千智はと言うと…
「私、ここにいる意味なんだろう…」
直接的な攻撃方法を持たないので後ろで支援をしているが優也達は自分の力で倒して行くので少し涙目になっている。
「グルァァァーー!!!!」
優也達が魔物を蹴散らしていると奥の方から魔物達の親玉らしき魔物が怒号を上げながら走り寄ってくる。
その魔物は獅子の様な顔に尻尾などは蛇になっており所謂キメラだ。
「さあて、一発でかいのかましてやるか、リユ!」
「了解じゃ!」
リユが優也の周りに火を浮かばせる、それを優也は焔剣を横に切るように振るう。
するとその火は全て焔剣に吸い込まれて行く。
そして吸う度に焔剣を纏う火が荒れ狂うように火を吹き始める。
そして凝縮すると透明な青い炎に変わる。その炎は静かにチロチロと火を漏らしているが秘められた力は計り知れない。
この火、実際言うと光の魔法も複合されている、光を含めたことで透明度が上がったのだ。
「ぶっ放すから離れていてくれ!」
優也の忠告通りリユ達はそこから離れる。
そして皆が離れたことを確認すると優也は雄叫びを上げながら剣を縦に一線する。
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
剣線を辿るように火が放たれる。
静かに燃えていた青い炎は放たれると同時その力を解放するかのようにキメラの体と周りにいた魔物達を覆い一瞬で消し炭にして辺り一帯を光で包む。
そして、振り切られた焔剣は役目を終えたとばかりに端の方から崩れ去って行く。
そして最後に柄が消えると優也は振り向いて後ろから駆け寄ってきたリユとハイタッチを交わす。
「良くやったぞ、優也!」
そしてその後ろから千智、ユキ、サキが走ってきて優也にのしかかってくる。
「ゆう君すごい!」
「優也様ぁ!」
「お兄ちゃん!」
千智達は迷宮と言うこともお構いなしに優也に甘えてくる。
「お前らな〜」
それに優也は苦笑しながらもみんなの頭を撫でてやる。
そうすると皆が皆目を細めて嬉しそうにえへへと言ったりする。
「優也よ、次で最後の階層じゃが、どうする?」
しばらくして千智達が身を離すとリユが優也に尋ねてくる。
そう、今優也達は79階層にいる、そしてすぐそこに80階層へと行く階段がある。
「んーと、取り敢えずは今日は休もう、最後の階層は万全の状態で挑みたいしな」
「そうじゃな、なら落ち着ける場所を探そうかのう」
そして歩みを再開して暫く…
いい感じの洞窟を見つけたのでそこに入り込むと奥の方から
ピチャン…
水の滴る音が聞こえてきた。
「ん?なんだこの音」
「水の音だね」
「優也よ、何やら奥の方から魔力を感じるのだが?」
「ちょっと見てくる」
優也はそう言って不安定な足場をひょいひょいと歩いていく。
そして奥に着くとそこには…
「おお〜…」
暖かそうな湯気を上げている、そう、天然の温泉があった。
「みんな来てみろよ!温泉があるぜ!」
その声につられて千智達も置くまでくる。
「わあ〜、本当に温泉だ〜、いつ以来だろう!」
「む…お〜、このようなところにもあるものじゃのう」
「温泉?とはなんですか?」
「うわ〜、暖かい!」
千智は久しぶりに見る温泉に目を輝かせリユは珍しいものを見る目で温泉を見る、ユキはそもそも温泉というものを知らない。
そしてサキはと言うとここまで暖かい所に来るのは初めてなのできゃっきゃっとはしゃいでる。
「お、これ魔力あるじゃん、あれかな、聖水みたいな感じか?」
「そうじゃな、聖水ならば何かしらの効果があるかもしれんな」
そう言ってリユは手をお湯に浸からせる、するとリユの白い手に少しついていた切り傷がみるみると治って行く。
「うむ、間違いなく聖水じゃな!よし、ならば早速入ろうではないか!」
リユは早着替えの要領で一気に服を脱ぐ、リユの銀色の髪が重力に逆らうように広がりそしてリユの白く細い体を覆うように包む。
その勢いのままリユは風呂に飛び込む。
バシャーンと音を立てながら温泉が水しぶきを上げる。
「ちょっ、リユ!?」
「私も入ります!」
「サキも〜!」
ユキとサキもそれに続き風呂に飛び込む。
いきなり風呂に飛び込んだリユ達に優也は驚愕の声を上げる。
そして何気無く千智の方を向くと…
「んしょ…」
いそいそと服を脱いでいた。
服を脱ぐと千智の肢体が露わになる。
華奢な体に不釣り合いなほど大きい胸が優也の目に入る、大事な部分は髪に巧妙に隠されていて見えないが。
躊躇いなく服を脱いだ千智に優也は声を失う。
「………」
「ん…どうしたのゆう君、入らないの?」
今だに固まっている優也に千智は首を可愛らしく傾ける。
千智は長い間リユやユキ、サキなどと言うそう言う意識が薄い女の子と触れ合っていたからか優也に肌を見られることを恥ずかしいとは思わなくなったらしい。
対して優也は逆に意識するようになっていた。
なんの躊躇いもなく肌を見せるリユや目をキラキラとさせながら擦り寄ってくるユキ、サキ。
そして最近になって小動物ぽさがなくなってきて色っぽさが溢れてきた千智が近くにいることから意識するようになったのだ。
皆が皆見目麗しい美少女や美女、美幼女なのだから意識しないのもしょうがない。
「ほら、躊躇わずに服を脱いで!」
千智が今だに硬直している優也の上の服を勢い良くスポーンと脱がす。
「…はっ!ちょっ、千智!お、俺も入るのか!?」
「当たり前でしょ?別々に入るより効率的だし、それとも私達と入るの嫌?」
「うっ…」
千智に下の方から上目遣いで見つめられて言葉を詰まらせる。
「はぁ…、分かったよ入ればいいんだろ、でもせめて体に何か巻いてくれこっちが恥ずかしい…」
「うん、分かった!」
優也は観念して両手を上げると千智は嬉しそうに表情を綻ばせてすぐそこに置いてあるバックから5つ魔物から剥ぎ取って作ったタオルを取り出し一つを優也に渡し、もう一つを自分に巻きつかせて残りをリユ達に渡す。
優也は隅で服を脱いで腰にタオルを巻いてから温泉の方に歩き片手を浸からせる。
「丁度いいな」
温泉は42〜45くらいの温度で少し熱いくらいだが優也はむしろ好ましいと思い足から入っていく。
「ふぅぅぅ〜」
体を包む丁度いい温度のお湯に弛緩を緩ませて気の抜けた声を漏らす。
そして体に出来ていた小さい傷などはゆっくりと治って行く。
「ゆう君〜、あったかいね〜」
「全くだな〜……って!」
「うん?どうしたの?」
優也が何故驚きの声を上げたかというと千智がすぐ横にいたのだが魅力に溢れた肢体に水に濡れた髪が張り付き溢れんばかりの色っぽさを演出していたからだ。
正直言うとリユ達がいなかったら行くところまで行きたいと優也は思ってしまったが理性を総動員させて我慢する。
「ゆ〜う〜や〜よ〜、気持ちいいの〜温泉は〜」
目のやりどころに困らせてキョロキョロしていると向こうからリユが気の抜けた声を漏らしながらゆっくりと進んでくる。
こちらは一部分が乏しいが白く滑らかな肌、水面を照らす淡い光の中にぼんやりと浮かぶ綺麗な銀色の髪、そして顎を伝う水滴…
こちらもこちらで目のやりどころに困ってしまう。
「優也様〜、温泉とは良いものですな〜」
そしてその後ろからは千智以上の色っぽさを演出する体を惜しげも無く晒しているユキが近寄ってくる。
大人の魅力に溢れるすらっとした手足にそして一番目を引くのは千智と同格以上の胸だ。
タオルで包んでいるのだが胸元は滑らかな曲線を描いてる。
「お兄ちゃ〜ん!」
サキに関しては躊躇いもなく優也に抱きついてくる。
女の子特有の柔らかさや匂いを至近距離で感じて優也は顔を赤くさせる。
「むっ…」
千智は優也が顔を赤くさせたことで対抗心を沸かしたのか体をピタッと優也にくっつけそれどころか腕を取り胸の方に持って行く。
「ち、千智!?」
優也は顔を真っ赤にして千智の方に向くと千智も同じように顔を真っ赤にしながらも
「わ、私はか、彼女なんだし、こ、これくらいはいいでしょ!?」
と言う。
優也はいや、そんなに顔を真っ赤にするほど恥ずかしいならと言おうとしたがその前にリユとユキ、サキが少し顔を火照らせながら優也に近づいてくる。
「ゆうや〜、私も見て欲しいのじゃ〜」
「ゆうや様〜、私もです〜」
「あ〜、サキも〜、サキも見て〜」
そして瞬く間に優也は美女、美少女、美幼女に囲まれる。
「な!?お前ら、ちょっとまっ!?」
優也が顔を真っ赤にして離れようとするが如何せん前後左右を囲まれてしまっているから身動きが取れない。
「ど、どうしたんだよ!なんか顔赤いし…ん?なんだこの匂い?」
優也は今頃になって辺りにこもっていた匂いに気付く。
その匂いは少しつーんと来ると言うかこの匂いは…
「まさか、アルコール!?」
そうアルコールの匂いだ。
千智達はこの辺りに漂うアルコールの匂いに当てられて酔ってしまったのだろう。
「おい、一旦出よう!な!」
「なんで〜、もっと入ってようよ〜」
「そうじゃよ〜、ほれ、ほれ」
「もっと入りましょうよ〜」
「そうだよ〜お兄ちゃんともっと入っていたい!」
千智達がひっくと喉を鳴らしながらさらに体をピタッと密着させてくる。
「うああああ!」
そして優也はキャパシティオーバーしてしまったのか…
「プシュウゥゥ…」
頭から湯気を昇らせながら目を回して意識を飛ばす。
「ゆう君!?」
「優也!?」
「優也様!?」
「お兄ちゃん!?」
千智達が優也を心配するように声を上げるが優也は既にその時意識を手放していた。
優也は爆発するべきだ。
書いててそう思いました。
次の投稿も今週中にはちゃんと出します。




