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魔獣を従えし英雄  作者: 神原 優仁
第1章
13/30

モフモフ陣が増えました

更新遅れてすみません。

『私の、主になってもらえませんか!』


その言葉が洞窟の中にやけに明瞭に響きわた立った。


「え?なんで主?」

『簡単な理由ではないですか、私の元主でも倒せなかった黒猪を歯牙にも掛けず倒されたのでしょう?ならば理由など自明の理!優也様あなたに使えることを私は望みます!』

「いや、そう言われてもさ...リ、リユはどうなんだよ?」


助けを求めてリユの方を向くと肉を食べながらキョトンとしている、その様子を見て優也は本当に話し聞いていたのか?と心配になるがすぐに答えは返って来た。


「いいんじゃないか?」

「案外すぐに返答返ってきたな」

「だってお主考えてもみろ?本来魔従師は使える魔獣の数によりその力を増して行った、お主の今契約している魔獣は私一人、ならばこれから増やして行くのが道理なのじゃが魔物の方から魔獣にしとくれと言っとるのじゃよ?この機会利用しない方が間違っておるぞ?」

「リユがそう言うならいいか」


狼の方を向くと今か今かと目を輝かせながら尻尾をブンブン振り回している。それに優也は丁度いいと思っていたのだ、優也は今ある成分が足りていないからだ。


「おっし、じゃ主になってやるよ!」

『本当ですか!』

「ああ、取り敢えずは名前ないのは不便だし名前つけるか」

『ありがたき幸せ!』

「そこまで大袈裟にしなくていいからさ」


狼の大袈裟な反応に優也は苦笑いしながら名前を考え始める。二人にも考えるのをお願いする。

その間に千智は狼の傷を癒していた。狼の傷が癒えた頃に優也が思いついたその名を言う。


「ユキ、ユキってどうだ?」

『優也様がつけてくれるなら私はどの様な名前でも嬉しいです!』

「まあ、いいんじゃないかのう」

「うん可愛いよ、その名前!」


狼改めユキが名前をつけてもらったことでくるくるとそこを嬉しそうに回る。


「それじゃ、契約するけど...リユ」

「ん?なんじゃ?」

「契約ってどうやるの?」

「優也、それくらいわからんのか?」

「いやだってさ、リユの時はお前から契約してくれたからさ」

「はぁ、契約の仕方はな、証になるものを貰うのじゃよ、私も魔力の結晶を与えたじゃろ?」

「ああ、これか」


そう言って優也は首にかけているネックレスを持ち上げる。先についている銀色の結晶が光を反射して光る。

リユに貰った魔力結晶はあの日以降錬金で加工してネックレスにして首に垂らしていたのだ。


「証を貰いその魔力と共鳴することで魔従師は従える魔獣から力を貰っておるのじゃよ、まあ魔力結晶の場合は作りにくいから普通は別のを証にするがな」

「ふーん、そんじゃユキからは...」


ユキを見るがその身に纏うものや受け渡しが出来るものは...特に無い。

出来るとしたらそのフサフサの毛、それだけしかない。

毛なんて今は加工をすることなど出来ない、どうすればいいのかリユに尋ねると。


「それじゃのー、ならばユキの毛を一本食べるしかないな」

「へっ?」

「何も形の残るものじゃなくても良いのじゃ、魔物から貰ったものと言う事実だけあればいいからのう、それに恐らくじゃがその方が魔力の共鳴はしやすくなるじゃろうしな」

「え?じゃあなに?俺に食べろと?ユキの毛を?」

「それしかないな」

「そう...なのか…」


リユにユキの毛を食べるしかないと言われて少し抵抗感を示す。何故かは簡単だ、毛、それを食べろというのだ普通食べたいとは思わない。


『優也様、私の毛は嫌ですか?』


ユキにうるうると目に涙をためて上目遣い気味に見つめる。

リユ達からも責められるような視線を受ける。ダラダラと内心汗を流しながら優也は溜息をつく。


「いや、大丈夫だ、それに契約するにはそうするしかないからな」

『そうですか!ならばどうぞ!』


ユキが自分の体を差し出してくるので優也は錬成でナイフを作って毛を一本切り取り暫く迷ってからぱくっと口の中に含む。

飲み込むと体の中に何か魔力の回路が増えたような感覚がする。


「どうじゃ、優也?」

「なんかユキとの魔力回路的な繋がりが意識すれば感じる」

「そうか、ならば恐らく契約は成功じゃよ」

『そうですか!優也様今後ともよろしくお願いします!』

「分かった分かった、でさ、早速一ついいか?」

『なんでありますか?』


ユキが首をかしげると優也は手をわきわきさせながら。


「モフモフしていいか」







「はあ、久しぶりのモフモフだ〜」

『ゆ、優也様、ちょっとそこはく、くすぐ、んっ』


優也は久しぶりのモフモフを思う存分に堪能している。ユキが優也の手が少しくすぐったいところに当たったのか少し喘ぐ。


「ゆう君、モフモフ成分足りてなかったんだ…」

「千智よ、モフモフ成分とはなんじゃ?」

「ん〜、ユキみたいなモフモフの動物というか、こっちの場合だと魔物かな?の事を好きに触るというかそう言う感じかな?」

「ほう、それでは私は…無理じゃな、毛皮などないしのう、優也は私では満足出来ないのかのう…」

「ま、満足って!は、はしたないよリユ!」

「ぬ?なんじゃ、私はただ優也が私でもふもふ成分?とやらを補給出来たら良いと思っただけなのじゃが?」

「え?そ、そうだよね、うんリユはそうしようと思ったんだね!」

「?…」


優也がユキを思う存分モフモフしてる横で千智とリユはガールズトークならず、漫才のような事をしている。


「それで優也よ、ユキは人化させるのか?」

「ん?ああ、そうだなユキもこれからを考えると人化させた方がいいな」

『人化?そのようなことも出来るのですか、優也様は!』

「まあ、そうだな、んでユキ、お前は人化するか?」

『はい!人化を私は望みます!』

「そうか、ならちょっと目閉じてろ」

『はい!』


そして優也がユキに人化の魔法をかける。


「…ここに新しき姿、新しき生を」


人化の魔法をかけ終えてユキがいたそこにはケモミミを生やした茶髪のロングヘアの美人が裸でそこに女の子座りでへたり込んでいた。

髪が上手く胸など大事なところを巧妙に隠していて丁度見えない。

胸はやはりというかリユよりも大きく千智とためをはれる程の大きさだ。


「………へっ?」

「ちょっ!ゆう君向こう向いていて!」

「あべっ!」

「?…どうしたのですか?」


ユキがケモミミをピコピコしながら首を傾げる。ついでに尻尾を振る。


「なんで服ないのよ!リユの時はあったのに!」

「私の時は特殊だったのじゃないか?それに私は龍だったからなそこが違ったのじゃろう」

「と、取り敢えず服!服作らないと!」


千智が一人あわあわと騒ぎながらそこらにあるものを集めて服を作ろうとする。優也はさっき千智に首を捻られて床にダウンしている。リユは一人首を傾げている。


「取り敢えずこれでOK!」

「ありがとうございます、千智様」


しばらくしてからユキは千智と優也が羽織っていた外套を工夫して作った服を着ていた。

一枚を上の方に羽織り下の方にもう一枚を優也が錬成で作った針などで縫い付けてスカートのように作り上げている。


「一先ず休憩も終わったしそろそろ行くか」


優也が首を横に傾けながらしかめっ面で千智達を促す。


「さっきはゴメンって言ってるじゃない!」

「分かってる、うん分かってるから大丈夫だ、ただ首が痛いだけだから」


千智が優也を諌めながら洞窟から出る。後ろにはリユとユキを付き添えている。


「そういえばさ、ユキってどうゆうこと出来るんだ?」

「えっと、まずは気配遮断ですかね」


そういってユキは林の中に隠れるするとユキの気配が捉えなれなくなる。無くなった気配を探してキョロキョロしているとすぐ後ろにユキの気配がいきなり現れる。


「おわっ!」

「とまあ、気配遮断はこんな感じでして、次は氷雪操作です」


ユキの手のひらに雪が集まりだしそこに雪玉が一つ出来上がる。


「このように雪があるところでは雪を好きな形に出来たりします、雪が無いところでも空気中の水分を使って雪を作り出すことも出来ます」

「凄えなそれ」

「いえいえそれほどでもないですよ。それと最後に一つ」


するとユキはいきなり跳躍すると空中で足を踏み出す、するとその場に見えない床が現れ踏み出すとさらに空気を踏みながら空を歩き出す、そして最後に空気を思いっきり踏むと途轍もないスピードで上にぶっ飛ぶ。


「すご!」


ユキが空気を踏みながら戻ってくると優也が目を輝かせる。

空中を好きなように動き回れるのはある意味憧れのようなものでもあった、異世界ものだと大体の主人公は空を飛んだり歩いたり出来ているので自分も出来るようになりたいと思っていたのだ。


「取り敢えずは私が出来る事はこれくらいです」

「いやそれだけでも凄い!」

「ユキすごいね!氷雪操作とかでも凄かったのに空中を歩けるなんて!」


優也と千智に手放しで褒められてユキはそれほどでもと言いながら嬉しそうにしている。

その後ろでリユはむーと頬を膨らませている。自分をほっとかれるのが何と無く嫌だからだ。


「わ、私も空を飛べるぞ!」

「ん?リユは龍だし当然だろ?」

「人化していても飛べるのじゃよ!」

「どうやって?」

「こうじゃ!」


リユはばっ!と手を広げるとその背中に翼が現れる、その翼はリユが龍の時にあった翼と酷似していて勇ましくも優雅である。

リユはその翼をはためかせながら空中を優雅に舞うように飛ぶ。

最後にターンを決めて優也達のところに戻ってくる。


「おー!ん?というかじゃあなんでリユはこれまで飛ばなかったんだ?」

「飛ぶ必要性などなかったからのう、ここで飛びながら戦うのは効率が悪いからな」

「まあ、そうだな狭いし、でもユキの能力は意外に使えそうだけどな、だって空中に踏み場作ってるようなものだし」

「ぐっ、私も外になれば!」

「それはまだ先のことだけどな」

「うっ…」

「まあ、ここを出れた時には期待してるからなリユ」


そういい優也が微笑むとリユは子供のような笑顔を浮かべて。嬉しそうに頷く。


「うむ!」

気づいてる人もいると思いますがこれからは契約している魔物の名前を"魔獣"に変えようと思います。


これから優也は仲間を増やしてその力を増して行きます。

はたしてその力は何のためにどのように振るわれて行くか期待してください。


これからの更新は書くのが間に合わなかったりするので5日に伸ばします。

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