瞳を閉じて
君の背中を追えば追うほど
疲れていくのはなぜ
縮まらない空間に
足を取られながら
それでも
君の背中を見つめている
もうどれくらい月日は過ぎたのか
君の笑顔も
思い出せない
君の笑い声も
聞こえない
君の瞳の中には
今、何が映っているのだろう
私は虚空をさまよう流人
掴めない幸せを願っている
この縮まらない距離が埋まらないのなら
すれ違うことが幸せ
振り向いて、冷たい視線を向けられることが幸せ
このまま君の背中を見つめ続けるのなら
私の瞳の中には
今、何が映っているのだろう
ふと、目を閉じてみた
「こっちを見て!」
叫び声にもならない切ないつぶやき
初めて足を止めて
振り向いてみた
そこには希望があった




