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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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鳥、石

「一朝一夕って言葉があるじゃない?」


 ねぇねがお兄ちゃんにそう声をけます。お兄ちゃんは特に興味を示すことなく「あるな」と返しました。


 ねぇね少しムッとしながらも、それでもそのまま話を続けます。


「昔は一石二鳥みたいに一羽の鳥に一個の石だと思ってたことがあったんだけど」


 一羽の鳥に一個の石というとつまり『一鳥一石』と言ったところでしょうか。


「一石二鳥が楽して利益を得ることができるって事で一朝一夕はそれ相応の努力をしないといけないって事なんだから間違えてても仕方ないと思うの」


 ねぇねの言葉を聞いてあたしは首をかしげる思いでしたが、お兄ちゃんはまず何よりもため息をつきました。


 それから、お兄ちゃんはねぇねを何やらかわいそうなものを見る目で見ると、口を開きます。


「まず、何から言ったら好いのかわからないんだが、とりあえず一朝一夕にそんな意味はない」


 それを聞いてねぇねは首をかしげて呆けた顔をします。


「恐らく『一朝一夕の努力じゃ身につかない』みたいに後ろに否定語を付けてのニュアンスだろう、それは」


 お兄ちゃんはため息交じりにそういってこめかみのあたりを押さえます。


 なるほど、先ほど感じた疑問はそこだったというわけです。一朝一夕をそれだけで使うのはあまり聞いたことがありませんが、お兄ちゃんが言ったようにその否定ならばたくさん聞いたことがあります。


 ねぇねが少し感心した顔でお兄ちゃんの話を聞いていました。


 それから最後にお兄ちゃんは「それに石一個投げただけで鳥が捕れれば二羽じゃなかろうが大きすぎるリターンだと思うがな」というとどこかに行ってしまいました。

悪魔でも自分の感覚。一朝一夕はわずかな時間。

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