そわそわ
あれやこれやとしているうちに携帯電話を買って、一日が過ぎました。
ためしにとねぇねからメールが届いて以降、全く鳴りません。
いえ、現状お兄ちゃんとねぇねしか連絡先を交換していませんし、そもそもあたしが携帯を持っていることを知っているのも二人しかいません。
ですが、携帯があると言うだけでそわそわしてしまいます。
意味もなく画面をつけてみたり、ねぇねが言っていたアプリというのを入れようか迷って入れなかったり。
そうしているうちに、冬ちゃんたちと約束している時間になってしまいました。
時間ぎりぎりになって集合場所に着いたのですが、やって来ているのは冬ちゃんだけでした。
「冬ちゃん。二人はまだみたいだね」
「多分雪が寝坊したんじゃないかな? でも、桃にしては今日は遅かったね」
「えっとね。携帯電話を買ってもらって、ソワソワしてたら時間になっちゃった」
「買って貰えたんだね。使い方は大丈夫?」
「何とかね」
何とかと見栄を張ってみましたが、短いメールを打つのにも十分くらいかかってしまったのは内緒です。
「今日は持ってきたの?」
「あ、持ってきてない」
携帯の不携帯とはまさにこの事だなと思っていると、「まあ、持ってきたら携帯に振り回されていたみたいだからいいんじゃないかな?」とフォローしてくれます。
実際、そうなっていたと思いますし、のんびり慣れていこうと思います。
 




