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精密機器
小学校にもパソコン室というものがありましたが、中学校では普通に授業で使ったりします。
だから宿題と言うのを出されるのですが、USBと言うものにデータをいれて提出します。
「USBって何だか壊しちゃいそうで怖いよね。
機械全般に言えることなんだろうけど、水とか衝撃とかですぐダメになっちゃいそう」
「私もそう思っている時期がありましたね」
今日は皆で集まって宿題をしているのですが、あたしの何気ない言葉に月ちゃんが興味深い言葉を返します。
「どう言うこと?」
「たぶん言うより見てもらった方が早いですね。
小雪、USB貸して」
「なんだ、美月。宿題終わってないのか?」
「いいから」
強い口調になった月ちゃんに雪ちゃんが首をかしげながら、なにかを手渡します。
そのまま月ちゃんに見せられたものは、キャップがなくなり、差し込むところが根本から曲がり、プラスチックのカバー部分がパカパカとれかけているものでした。
「これ使えるの?」
「すごいと思いませんか?」
月ちゃんはちゃんと答えてくれませんでしたが、あたしは何だかすごく納得してしまいました。




