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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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変化

 今日はお部屋のお掃除です。お兄ちゃんとあたしで二手に別れて掃除をします。


 そんな中本棚にお兄ちゃんの小学校から高校までの卒業アルバムを見つけました。


「ほら掃除をしなさい」


 いつの間にかお兄ちゃんが来て怒られてしまいましたが、お兄ちゃんもあたしの後ろからアルバムを眺めます。


「また、懐かしいものを」


「あーにぃだいぶ変わったよね。この時こんなにちっちゃかったのに」


 あたしはそう言って小学校の時のお兄ちゃんを指差します。


「お兄ちゃんは中高で三十センチ伸びたからな」


「じゃあ、あたしも伸びるかな?」


 お兄ちゃんは少し黙ると「きっと伸びるさー」と棒読みします。怒っていいのか、悲しんでいいのかわかりません。


 身長の話をしていると少し悲しくなってくるので話を変えます。


「あーにぃ、あたし達って変わっていくんだね」


「変わるな。妹もいつか小学校を卒業して中高生になり、社会人だ」


「それってどういうことなの?」


 あたしには今ひとつピンと来ません。あたしはずっとあたしのはずで、小学校に入学してもあたしに何かあったとは思えないんです。


「まぁ、自分じゃなかなか気づけないさ」


 お兄ちゃんは明確な答えは出さずに言います。


「じゃあ、あーにぃ。変わらないものってなに?」


 お兄ちゃんは少し考えて口を開きます。


「お兄ちゃんの将来の夢だな」


 お兄ちゃんが何を言いたいのかわからずあたしは首を傾げます。


「お兄ちゃんの夢は叶わないから、絶対に変わらない」


 ……


「それはあーにぃが何もしないからでしょ」


 あたし達は掃除に戻りました。

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