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御籤

 今日家に帰ると、ねぇねが細長い紙を三つ並べていました。


「何を広げているんですか?」と紙に書いてあることを見ないように尋ねたら、ねぇねが「見ての通りよ」と言うので机の上に目を移しました。


「おみくじ……ですよね? 何で三つもあるんですか?」


「お正月に買ったのと、何か月か前に売っているのを見かけたから買ったのと、この前大きなお寺に行ったから記念に買ったので三つね」


 おみくじと言うとお正月に今年一年の運勢を占うものだと思っていたせいか、お正月以外におみくじと言うと変な感じがします。


 それは置いておいて、ねぇねが広げているおみくじを見る事にしましょう。


 大吉、大吉、小吉。


「小吉がこの前買った奴ですか?」


「そうなのよ。今年が始まって、大吉で良い一年になると思ったのに特に良い事も無くて、何か月か前に大吉でまだ運気は残っているんだと、まだ大丈夫だと思っていた矢先に小吉なのよね。


 この数か月でどこに運気を落としてきたんのかしら?」


 おみくじをつつきながらねぇねが、面白くなさそうな顔をします。


 いつものようにお兄ちゃんが何処からかやってきて、ねぇねの小吉のおみくじをひょいと取り上げました。


「願い事。叶うが遅い……今年もあと三か月だが叶ったか?」


「叶わないわよ。きっと十二月三十一日にでも叶うんじゃないかしら」


「……よく見たら、全部願い事の欄に書いてあることは大体一緒なんだな」


「まあ、当たるも八卦当たらぬも八卦って事でしょ?」


 そう言ってテーブルに突っ伏したねぇねに、お兄ちゃんが「じゃあそんなに落ち込むなよ」と言っていました。

 大吉引くのに運を使ってしまったみたいです。

 そんなことは無いと思いたいです。

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