目安
「面接の時に小説を書くのが趣味ですっていう事があるんだけど……」
「それ言うんだな」
「むしろ、これを言わないと私の大学生活ってほぼ無なのよね。
「貴女が大学時代に頑張って来た事はなんですか?」って言われると「小説書いていました」ってしか言えないのよ。
まあ、実績は無いんだけど……」
お兄ちゃんが攻めていないのにねぇねの肩が落ちてしまいました。
まあ、お兄ちゃんに文句を言われた時にねぇねが落ち込む事って少ないですが。
「えっと、趣味ですって言ったから何かあったんですか?」
「あ、そうね。それでたまに「一日に何文字くらい書くんですか?」って追撃が来るのよ」
「追撃……なあ。確かお前筆は遅くなかった気がするが」
「遅くは無いと思うんだけど、一日に何文字って言われも正直困るのよね。
筆が乗っている時と乗っていないときでかなり違うのよ」
「そうなんですか?」
思わず口を挟んでしまいます。でも、考えてみればそう言う話は聞いたことがありました。
「例えば400字程度の話でも、15分でかけたり2時間くらいかかったりするのよ。
それと同じで、一日で5000字しか書けなかったり、10000字以上書けたりするから答え方に困るのよね」
「多い時で一万字くらいですって言っておけばいいんじゃないか?」
「まあ、そうなんだけどね」
ねぇねは何だか煮え切らない感じでした。
この長さを書くのに二時間かかった日があったなと懐かしくなります。
今でもかかることあるんでしょうけど。




