初老
「宿題の感想文書きながら気がついたんだけどな」
「雪、ちゃんと読書感想文書いたんだ」
冬ちゃんの驚きはちょっと、失礼じゃないかと思います。
しかし、疲弊した顔の月ちゃんを見ると、そんなことないようにも感じました。
「書かせたんですよ。小雪でも読める本を探して、ちゃんと読む時間をつくって、書く時間をつくって……」
「月がしなくてもいいと思うんだけど。まあ、雪は何に気がついたの?」
「そうだそうだ、初老って言葉があるだろ」
初老……最近のねぇねを思い出しました。
「実は初老って40歳位のことを言うんだってな」
「気づいたって言うか、知ったって感じだけど……もう、結構有名じゃないかな?」
冬ちゃんに続いて、あたしも話すことにします。
なんと言うか、想像通りのことを雪ちゃんが言ったので。
「初老って40歳くらいだって言う話もあるけど、それは昔の感覚で今は違うんだって言う話もあるみたいだよ」
「それって、結局どう言うことなんだ?」
どう言うことだと言えばいいのでしょうか、ちょっと困ってしまいます。
「つまり、誤解を招きたくなかったら、初老って使うなってことじゃない?」
冬ちゃんのフォローに雪ちゃんが、原稿用紙を取り出して「そしたら、40歳くらいの人って、何て言ったらいいんだ?」と言っていました。




