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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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 何度も言うみたいですが、お兄ちゃんは大学生です。つまり後もう少しで社会人になります。


「ねぇ、あーにぃ」


「どうした、妹よ」


「あーにぃは将来何になりたいの?」


「そりゃあ、流行の最先端の……」


 お兄ちゃんは躊躇わずに答えます。お兄ちゃんに将来の夢があったなんて少し驚きです。


「ニートだな」


 あたしは耳を疑いました。たぶん口がぽかんって開いています。


「あ、あーにぃ……ニートって……」


「not in education, employment or trainingの頭文字を取ってNEETだな。間違えてneatとすると印象ががらりと変わってしまう」


 お兄ちゃんは滑らかにそう言います。しかし


「そうじゃなくって」


 あたしが怒るとお兄ちゃんは「冗談だ」とあたしの頭を撫でます。


「漫画の原作だな」


「漫画家さんじゃないの?」


 あたしが尋ねるとお兄ちゃんはため息をついてあたしの肩に両手を乗せます。


「妹よ。神とは無慈悲なのだよ」


 そう言って何かを書き始めます。


「えっと……」


「何も言うな、妹よ」


 何も言うな…ではなく、なにも言えない状況に驚きです。


 お兄ちゃんの書いたそれは四足歩行の何かとしか言いようのない化け物でした。


「そ、それで、あーにぃはそのために何かしてるの?」


 あたしがみている限りでは大学には行っていてもそう言ったことはしていなかったはずですが。


 もしかして学校で活動をしているのかもしれません。


「いや、何も」


「あーにぃ、絵の勉強とかはしたことあるの?」


「無いな」


 ……


「あーにぃ、夕ご飯なに食べたい?」


「餡掛けチャーハン」


 片栗粉が切れていたので買い出しに行くことにします。

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