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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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れ、ろう

 お兄ちゃんに頑張るについて聞いてみましたが、結局よくわからないままになってしまったので今度はねぇねに聞いてみることにしました。


「ねぇねは頑張るってどう思いますか?」


 あたしがそう言うと、ねぇねは少し難しそうな顔をして考え込むと「うん」と言ってから話します。


「妹ちゃんはどうしてそれを聞こうと思ったの?」


 そう言われてねぇねには何も経緯を話していないことに気が付きました。


 あたしは、慌てて学校の先生から勉強をがんばれと言われたことと、それを受けてあたしがお兄ちゃんに尋ねたことを伝えました。


「そうね。私も妹ちゃんのお兄ちゃんの意見には賛成なんだけど、そういう問題じゃないんだよね?」


「そうなんです」


 あたしがそう返すと、ねぇねはあたしを真っ直ぐ見ると「うん」と一度頷いて話し始めます。


「私の話も妹ちゃんが納得できないかもしれないけど、それでいい?」


「はい」


「妹ちゃんは頑張っている人に頑張ってねってあまり言わない方がいいとか聞いたことはある?」


 あたしは、ひとまず首を振ってから考えます。


「でも、頑張ってるよって怒られそうな気がします」


「そうだね。でも、言う側としては別に頑張っている人を貶めたい訳でも、怒らせたい訳でもないはずなんだよね」


 それを聞いてあたしは頷きます。あたしもよく頑張ってと言いますが、それは応援したいからで、怒らせようなんて考えたこともないです。


「言う側が気が利けば良いんだろうけど、でも普通は応援しようと思ったら『頑張って』以外ってなかなか思い浮かばないと思うのよ」


 「で、それはそれとして」とねぇねは一度話を区切ります。


 あたしはそんなねぇねを首をかしげて見ます。


「それから、自分から頑張るって言ったときって多分何を頑張るかって決まってると思うのよ。そう言うって事はそう思った理由があるんだろうし」


「そう……ですね」


 ねぇねの言葉を噛み砕きながら、ゆっくりとそう返すとねぇねが「だからね」と続けました。


「他人から言われた『頑張れ』はそこそこに受け取っておいて、自分が『頑張ろう』と思ったことを頑張ったらいいんじゃないかな?」


 それを聞いてあたしは一つ頷きました。

 と、思ったりするのですが、皆様はいかがでしょうか?

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