表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
59/1000

後か先か

 基本的にあたしがすべての食事を準備するのですが、たまにどうしても料理することができずにインスタント食品に頼ってしまうことがあります。


 その中でもカップ麺というものはほとんど食べることはないのですが、念のために買っておいた物の賞味期限が近付いてきたらもったいないので食べるようにしています。


 今日はそんな日。何故か三つ余っていたのでねぇねも呼んで……と言うか、お兄ちゃんが「まだ余ってるなら消費手伝わせるか」と連絡をしていました。


 ねぇねもねぇねで「正直空腹が限界だった」と喜んで家までやってきます。


 そんなわけであたしたちの目の前にはカップ麺がそれぞれ一つずつ。あたしがうどんでお兄ちゃんがラーメン。ねぇねが蕎麦なのですが、付属のかき揚げをふたの上に載せています。


「ねぇねは後から載せるのが好きなんですか?」


 コマーシャルで先に載せるか後から載せるかと言うのがあり、気になったので思わず尋ねてみました。


 あたしの質問に一瞬戸惑った顔をしたねぇねですが、すぐにふたの上に載せた書き上げに視線を移して「あ、これね」と指差します。あたしはそれを聞いてすぐに頷きます。


「これはね、重りなの」


「重り……ですか?」


 予想外の答えに思わず聞き返してしまいました。ニコニコと笑っているねぇねはその後特に何も言うことはありませんでしたが、代わりにお兄ちゃんが口を開きました。


「結局後から載せた方になれてるって事だろう?」


「んー……あぁ……そうね」


 お兄ちゃんの言葉になぜかねぇねは気のない返事をしました。



 それから食事が終わりかけたころ、まだねぇねがかき揚げを食べていないのをお兄ちゃんが見つけました。


「後から載せておいてまだ食べないんだな」


 その言葉の端からは何のために後から載せたんだという内容が滲み出ているようでしたが、ねぇねはなんでそんなことを言われたのか分からないのか首をかしげます。


「中途半端にスープ吸ってたらおいしくないでしょ?」


「いや、でもな……」


 お兄ちゃんは頭を抱えてそこまで言いましたが結局「まあ、そうだな」と諦めたように言うと何事もなかったかのようにラーメンをすすり始めました。

サクサクしているうちに食べ終わるのは思いのほかに難しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ