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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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勉強

 お兄ちゃんは大学生です。だから偶に難しい勉強をしています。そしてよく困ったような顔をします。

「あーにぃ、どうしたの?」

「んー……どうしてもうまくいかない問題があってな」

 お兄ちゃんはそう言って頭を掻きます。横からヒョイとお兄ちゃんの手元を覗くと難しそうな数字と記号が並んでいました。

「どこも間違ってないと思うんだけどな」

 頭の上でお兄ちゃんの声がします。書いてある数字を上から眺めます。

「あーにぃ、あーにぃ」 気がついたことがあるのでお兄ちゃんに話しかけました。お兄ちゃんはいつものように「どうした妹よ」と返してきます。

「ここの足し算間違ってるよ?」

「あ、本当だ」

 お兄ちゃんは熱心に問題を時始めます。


 少しして「終わった」とお兄ちゃんが背伸びをします。間違っていたのは最初の足し算だけだったみたいです。

「ねぇ、あーにぃ」

「なんだ妹よ」

「あーにぃでもあんな間違いするんだね」

 お兄ちゃんは直ぐには答えずに右手を顎の下に持って行きます。

「簡単だからこそ間違っているなんて思わないわけだ」

 何となく分かるような分からないようなです。あたしがむーっと唸っているとお兄ちゃんはあたしの頭の上に手を置きます。

「ありがとう、助かった」

 考えていたことなんてどうでもよくなりました。




 今度はあたしが勉強です。お兄ちゃんのように簡単な問題を間違えないように慎重に、ですが

「あーにぃー」

「どうかしたか妹よ」

「慎重に問題解いてると宿題が全然終わらない」

 どうしてだかお兄ちゃんに笑われました。

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