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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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決定

「どうしてあーにぃは今の学校に入ろうと思ったの?」


 ある日あたしはお兄ちゃんにそう尋ねました。


 いつもならここで考えることの多いお兄ちゃんですが、今回は珍しくすぐに答えが返ってきました。その内容は「忘れた」というものでしたが。


「お父さんとか、お母さんに言われたからとか?」


 お兄ちゃん自身が覚えていないのなら別の人が決めたのかなと思い、そう尋ねるとお兄ちゃんは首を振り「それだけはない」と言います。


 どうしてそこまで言い切れるのかがわかりませんでしたが、お兄ちゃんはすぐに答えを教えてくれました。


「父さんも母さんも『自分で決めなさい』みたいなこと言ってたからな。高校三年でさすがに進学先をどうするかは両親と相談した方がいいだろうと思って電話してみたらこれだったからよく覚えてる」


「どうして、お父さんもお母さんもそんなこと言ったのかな?」


 あたしが尋ねると、お兄ちゃんは一度唸ってから口を開きました。


「はっきりとは言えないが、誰かに言われて決めたんじゃその決めたものに納得がいかない時に誰かを言い訳に逃げることができるからだろうな」


 「結局どれだけ言い訳しても何の意味もないのにな」とお兄ちゃんは言いますが、少しあたしにはわかりません。でも、自分で決めた方がいいということは何となくわかりますし、わかりました。


 お父さんもお母さんもお兄ちゃんのことちゃんと考えているんだなと、わからないなりに感心していましたが、お兄ちゃんは「でも実際の所」と軽く首を振りながら話し始めます。


「外国にいたんじゃ、こっちの状況が分からないから何も言いようがなかっただけだとは思うけどな」


 言っていることはもっともですが、それは是非お兄ちゃんの中にだけとどめておいてほしかったです。

結局最後は自分で決める

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