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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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頭の体操

 お兄ちゃんは有名な大学に通っている頭のいい人です。

「あーにぃ、あーにぃ」

「なんだ妹よ」

「あーにぃが受験の時まだあーにぃが家事やってたよね?」

「そうだな」

 ソファーに座り本を捲りながらお兄ちゃんが何気なしに答えます。

「どうしてあーにぃは家事もしながら合格できたの?」

 お兄ちゃんは、うーんと唸りながら頭をひねります。それから本にしおりを挟むとこちらを向いて

「常に頭の体操してたからな」

「あたまのたいそう?」

 あたしが首を捻るとお兄ちゃんは答えてくれました。

「例えばこう前に歩くとき……」

 立ち上がって実際に歩きます。それから立ち止まり後ろを向きました。

「こっちに歩いているのを想像する」

 そう言って向いている方向に歩きます。あたしが「こんがらがってきた」と言うと、お兄ちゃんは「それが頭の体操だ」と言ってソファーに座り直し読書を再開してしまいました。



 と、言うのを買い物にいくときに思い出したので実行してみます。今は玄関をでて家の門のところ。つまり、このまま家から離れるように歩きながら頭では家に帰るのをイメージするのです。

 ゆっくり一歩ずつ歩くと直ぐにこんがらがってしまいます。でも頑張って十歩歩いたところで大変なことになりました。

「あーにぃ、あーにぃ。頭の中で扉にぶつかった〜」

 どうしたらいいか答えてくれるお兄ちゃんはいませんでした。

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