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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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春休み

 修了式が終わり今日から春休みです。


 すでに六年生卒業していてあたしたちが最高学年と言うことになっていましたがあまり実感はなく、誰もいない六年生の教室を見た時に寂しさとともに少しだけ実感できたような気がしました。


 さて、春休みを含め夏休みや冬休みの直前にはそれぞれ式が行われます。


 同じ日に大掃除などもしますが、それでも半日で学校は終わり家に帰ってからお昼ご飯となります。


 以前の事になりますが、果たしていつから休みになるのか気になってお兄ちゃんに聞いてみました。


 すると「特に勉強をするわけでもないだろうから終業式の日からだと考えたら一日長く休みになるだろうし、半日が勿体無いと思うなら式の翌日から休みになったと思えばいいだろう」と返ってきたのであたしは式の日から休みが始まるんだと考えるようにしています。




 その日家に帰るとねぇねが少し不思議そうな顔で「今日は早かったのね」と尋ねてきたので、あたしは「今日から春休みですから」と返しました。


「ああ、今日からなのね小学校の春休みって」


 ねぇねの様子が何処か変だったのでどうしたのだろうと首をかしげていると、その理由をお兄ちゃんが教えてくれました。


「大学は今までずっと休みだったからな。あと二週間しか休みがないって愚痴を聞かされていたわけだ」


「そんなことはこの子たちに言わなくていいのよ」


 いつものそんなやり取りにあたしの隣で冬ちゃんがクスクスと笑っていましたが、何となくねぇねの言いたいこともわかります。


 夏休み最後の一週間の気持ちと言ったところでしょうか。


「でも、妹ちゃんと冬華ちゃんは今日から休みなのよね。だったら私も今から休みのつもりでいこうかしら」


 ねぇねが元気を取り戻してそう言うので、あたしも少し元気が出たような気持だったのですが、そんな中でお兄ちゃんが口を開きました。


「それで、気持ちを切り替えて何かやりたいことでもあるのか?」


「いや……別にないわよ……」


 「良く来ていたしな」とお兄ちゃんは言いますし、事実かもしれませんが元気になったねぇねからもう一度元気を奪うのはいかがなものかとあたしは思います。

 とても短い春休みがはじまります。

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