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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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財布

「お金を入れるものにお金を掛けるってどうなのかしら」


「財布の存在否定だな」


 冬ちゃんもねぇねも家に来たある日。ねぇねが急にそう言ってお兄ちゃんが呆れたように返しました。


「否定はしないけど、入れ物を買うために中身を減らすって言うのも変な話だと思ったのよ」


「中身を減らしてまで良いもので覆わないといけないんだろ。とはいっても結局は相応の物を使えって話じゃないか?」


 ねぇねの言った事に納得しかけましたが、お兄ちゃんの言うことにも一理あるような気がします。


 そう思って冬ちゃんに「どっちが正しいと思う?」と尋ねると「どっちも」と返ってきました。


「相応ねえ、アンタはいくらくらいの使っているの?」


「五千円くらいだったか。普段そんなにお金持ち歩かないしな。それでお前は?」


「私のは貰いものだからただよ。確かどこかの国で買って千円もしなかったって言ってはいたけれど」


「千円?」


 ねぇねの言葉に反応したのは冬ちゃんで、どこか驚いたような声を出します。


 予想外の所から反応があったのかねぇねが不思議そうな顔で「冬華ちゃんどうしたの?」と尋ねました。


 冬ちゃんは「あ、いえ」と言い辛そうに答えます。


「わたしのが二千円くらいだったので以外だなと……」


「つまりこのメンバーで一番高い財布を使っているのは妹になるわけだな」


「え?」


 お兄ちゃんの言葉に思わず声が出ている間に何故かあたしに視線が集まります。


 あたしが持っている財布は手帳のような形をした少し変わった財布なのですが、確かこれは……


「あたしの財布ってあーにぃがくれたやつだよね? 家事をしているからって」


「ああ、そうだな。確かそれ一万五千円くらいしたな」


 あたしは驚きのあまり声が出せませんでした。と、言いますかこれから普段通りこの財布を使っていくことができるか不安になってきました。

 財布ってどれくらいのものを使えばいいんですかね?

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