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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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桜吹雪

 三月に入ったのですが、急にまた寒くなってしまってしまいました。


 今日なんか寒いなと思って、朝から外に出てみるとチラチラと降っていたのは雪。


 積もってはいなかったのですが、その雪が綺麗で、休みと言うこともありコートを羽織り手袋をはめると近くの公園まで行ってみようかなと外に出ました。


 思っていた以上に寒かったのですが、幸い太陽は顔を出しているので日向を通って公園まで行くとベンチに知った顔が居ます。


「ねぇねも来てたんですか?」


 スウェットにコートを着ただけのようなねぇねは、ただただ降ってくる雪を見ているだけだったのですが、あたしがそう声をかけると笑顔であたしの方を見てくれました。


「妹ちゃんも来たんだね。寒いけど大丈夫?」


 そう言うねぇねの鼻が赤くてどう見てもねぇねの方が寒そうなのですが、それについては何も言わずに「大丈夫です」と言ってねぇねの隣に座らせてもらいます。


「ねぇねは何をしていたんですか?」


 あたしが尋ねると、ねぇねは笑顔になった後空を見上げ「ちょっと早い桜を見に……かな」と呟くように答えてくれました。


 ですが、もちろん桜なんてどこにも咲いていません。それであたしが首をかしげていたからでしょうか、ねぇねが続けて話し始めました。


「妹ちゃんは散り始めた桜を見たことがある?」


 見たことがあるのかないのかと言われたら恐らくあるのでしょうが、あまり覚えていないので「わからないです」と返します。


 そのあとでねぇねと同じように空を見ると、雪はただ上から下に降っていると言うよりも、上から下、下から上、右から左、左から右へと舞っているという感じがしました。


「だったら今年の桜は散っている所までしっかり意識してみていてほしいんだけど、この雪みたいにね踊るように舞っていることもあるのよ」


 「私もそんな桜をみたのは去年が初めてだったんだけど」とねぇねは言うと目の前に来た雪の粒を救い上げるように両手で受け止めました。


「でも、それがとっても雪みたいだったなって今頃になって思い出してね」


 「だから、桜見物」と言うねぇねは、残念な恰好ではあるのですがやっぱり美人さんなんだなと思いました。

 ちょっとサブタイトル詐欺なところはありますが、今年の桜は見ごろを過ぎた後もちょっと眺めてみてはいかがでしょうか。

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