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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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思い出す

 今日は桃の後ろについてスーパーでお買い物です。桃は買い物の時とても楽しそうに材料を見ます。


 何度かついてくる中で、それが今日の夕飯を何にするのか考えるのが楽しいからだと言うことを知りました。


 小さい体で買い物カゴと言うのは何ともアンバランスで、桃の小ささが強調されて可愛いのですが、それを口にすることはありません。


 本当はわたしが持ってあげたいというのもあるのですが、いろいろあってわたしは此処から桃の家までを担当します。


 お肉を売っているコーナーでふと桃が立ち止まりました。


「今日は唐揚げにしようかな」


「桃唐揚げ好きだもんね」


 やや目を輝かせながら桃が言うので、わたしは何となく桃の親になった気分で返します。


「でも、唐揚げってだいぶ付け込まないといけないイメージ何だけど大丈夫なの?」


 親のつもりが一転、わたしが尋ねると桃が鶏肉のパックを手に持ちながら顔だけこちらに向けてくれました。


「そうだけど、でも、2・30分位だから大丈夫……」


 楽しそうにそこまで言った桃は「あー」っと声を上げました。


「どうしたの?」


 驚いてわたしが言うと、桃が落ち込んだように手に持っていた鶏肉を置きました。


「そう言えば、昨日サバが余ったから竜田揚げにしようと思ってたんだった……忘れてたら唐揚げだったのに……」


「別に唐揚げにしてもいいんじゃない?」


「でも、思い出したらそれにしないといけない気がしない?」


 うなだれてそう言う桃を見ていると確かにそうだという気になってきました。

 忘れた時点で負け。

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