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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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コーヒーカップ

 今日はお兄ちゃんの様子がどこかおかしいです。いつもにましてぼーっとしています。


「あーにぃどうしたの?」


 心配に思ったので聞いてみます。


「どうしたって何がだ? 妹よ」


 お兄ちゃんは自分自身気がついていないのでしょうか?


 でも、聞き返してきた声はやはり元気がない感じです。


「あーにぃ、今日元気ないかなって思って……」


 「あー……」と、お兄ちゃんは力のない声で言った後、何か思い当たる事があるのか続けます。


「いつもあるものが無くなるとどうにも落ち着かなくてな」


 「自覚すると、何かがゴッソリ持って行かれるかのような喪失感がな……」そう言ってお兄ちゃんはソファの上で寝転がりました。


 あたしは初め何を言っているのかわかりませんでしたが、直ぐに一つ思い出しました。


「あーにぃ、昨日コーヒーカップ割ってたよね?」


 確かお兄ちゃんが昔から使っていたコーヒーカップだったはずです。


 それを昨日落としてしまうのをあたしは見ていました。


 その時にお兄ちゃんは、危ないからと冷静に対応していましたが、本当は悲しかったのかもしれません。


 どうにも、予想は当たっていたらしく、お兄ちゃんの表情は見る間に暗くなるのがわかりました。


 あたしは何を言っていいのか解りませんでしたが、何とか口を開きます。


「あーにぃ、新しいコーヒーカップ、買いに行こ?」


「そうだな……」


 そう言ってお兄ちゃんは立ち上がりましたが、終始どこか元気が無さそうでした。

コーヒーカップ……割れちゃいました……


何年も使っていた奴を……

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