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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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一期一会

 今日リビングで何か紙を見ていたねぇねが「うーん……」と言ってから万歳をした状態でテーブルに頭を付けました。


 その様子が少し心配であたしが「どうしたんですか」と訊こうとしたのですが、珍しくお兄ちゃんが「どうしたんだ?」と先に尋ねました。


 ねぇねは首を少しだけ動かして片目だけでお兄ちゃんを見ると何か言い辛そうに「あー……」と唸ります。


「新しい小説の設定考えてるんだけど、何ていうか今までのやつとだいぶ作風が変わっちゃうのよ」


 ねぇねがそう言うのを聞いてお兄ちゃんがねぇねの持っていた紙をひったくり、目を通し始めました。


「確かにだいぶ違うな。設定だけ見た感じだとお前らしくないような気がしないでもない」


「そうなのよね」


 うつ伏せなので籠ったねぇねの声が聞こえます。でも、ねぇねは何故そんなに元気がないのでしょうか。いつもなら新しい小説の設定ができたときには楽しそうに話すと思うのですが。


 あたしがその点で悩んでいると、お兄ちゃんが答えをくれました。


「それで、今までのファンに受けるかどうかを悩んでるわけだな」


「まあ、ファン何て何人いるかわからないからそこまで考えなくてもいいのかもしれないけどね」


 その言葉とは裏腹にねぇねの声はため息交じりです。お兄ちゃんもそんなねぇねを見てため息をつくと口を開きました。


「それで離れていったらそれまでだろ。そもそも一作毛色の違う作品書いただけで離れていく人をファンと呼ぶかは怪しいしな。最悪その作品だけ見ないってところだろ」


 そこまで言うとお兄ちゃんは一度息を吸い「それに」と続けます。


「何だかんだ言ってもいつもとおんなじ感じになるだろ、お前の場合」


 それから、お兄ちゃんは「設定は面白いと思うぞ」と紙をテーブルの上に戻してからどこかに行ってしまいました。

 結局作品が自分色に染まってしまうような気がします。黒髪も本当はもっと軽い感じになるつもりだったんですけどね(棒)


 自分は誰かのファンと言う事は少なかったりします。タイトルだけ見て本を買うことが多いので。でも、それでもある作家さんの本が多くなったりはしますけどね。

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