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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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今が……

 あたしは現在小学五年生。四月になれば小学六年生になります。つまり、最高学年になるのですがそうなると意識してしまうのは中学校への入学です。


 基本的に同じ地区の子は同じ中学校なのですが、それでも受験等で別の中学校に行ってしまう子もいます。今のクラスが好きなあたしとしては学校が離れることも、言ってしまえばクラス替えもあまりうれしくはありません。


 それを冬ちゃんには流石に言えなかったので、冬ちゃんがうちに来なかった日にねぇねとお兄ちゃんに言ってみました。


 ねぇねの方は何度か頷いて「わかるわかる」と言ってくれましたが、お兄ちゃんは相変わらずあまり大きな反応は見せてくれません。


「でも、そんなこと言ってるといつまでもしり込みしちゃって先に進めないだろうし、妹ちゃんなら新しいクラスでも、中学校でもいい友達が作れるわよ」


 とねぇねはあたしを励ましてくれますが、ずっといた小学校を離れるのがやはり不安になってしまいます。


 でも、考えてみれば中学校から高校に上がるときの方が友達と離れてしまうのではないかと思い「ねぇねが高校に入学した時はどうだったんですか?」と尋ねてみました。


 ねぇねは「そうね」と言ってから少し考えるしぐさを見せて口を開きます。


「割とすぐに友達はできたかな。ただ、やっぱり小学校とかと比べると一緒に遊ぶ友達は少なくなったかもしれないけれど」


 「大学に入ってからはもっとね」と言ってねぇねは笑いますが、ちっとも寂しくなさそうであたしは何となく安心することができました。


 そこまで聞いて、急にお兄ちゃんが話し始めます。


「ま、寧ろ先に進めないというか、嫌でも先に進められるんだからそこでできる限りをしたらいいんじゃないか?」


 お兄ちゃんの言うことももっともな気がしますが、お兄ちゃんとねぇねの言っていることの違いと言うのは何なのでしょうか?

 状況にもよるかと思いますが、大方現状に慣れてしまっている人は新しい環境と言うのが怖いのだと思います。


 それは、新しい環境への期待よりも今よりも悪くなる可能性があるからだと、どこかで聞いたことがありますが、ちゃんと覚えていないので正しい自信はありません。


 ただ、新しい環境を楽しみできる人は何処でも上手くやっていけるのだろうなと思ったりはします。

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