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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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買う物

 炊事洗濯と家事には水を使わないといけないものがたくさんあります。なかでも食器洗いはもっとも水を使う所の一つです。


 しかも、油ものの後に鍋なんかを放っておくと油が白く固まってしまい、洗いにくいことこの上ないです。と、ねぇねは言っていましたが、うちではお兄ちゃんがお湯を使えと言うのであまりそんなことはないです。


 その分ガス代はかかるのですが、お兄ちゃんがいうにはお父さんやお母さんから余るほどお金が送られてきているらしいので問題ないのだそうです。


 そんな家事の一コマ、買い物の話です。


「ここに来るようになって買い物が少なくなってね」


 ある日ねぇねが嬉々としてそう言いました。お兄ちゃんが「その分こっちの買い物が増えてるんだけどな」と返していましたが、基本的に買い物をするのはあたしです。


 確かに増えはしましたが、スーパーで何を作ろうかなとあちらこちらを見て回るのはあたしの楽しみの一つだったりするのです。最近ではねぇねに加え冬ちゃんも一緒に夕飯を食べることが多くなってきたので、なおのこと楽しいです。


「それで十分早く家に帰れるようになったから、その使い道をどうしようかなって考えてるのよ」


 ねぇねはお兄ちゃんの言葉をまるで無視するように言います。


「買い物って十分で終わるんですか!?」


 そんなねぇねの言葉にあたしは思わずそう言って驚いてしまいました。だって、あたしならどんなに短くても三十分はかかってしまいますから。


 ねぇねはあたしの反応が意外だったのか、一瞬キョトンとしてから口を開きます。


「大体買う物決めてるからね。よくいくスーパーだから場所も覚えてるし、早い時は五分くらいで終わるかな?」


「お店の中を見て回ったりとかしないんですか? 何となくお菓子食べたいかなとか思ったときとかにでも……」


 あたしはねぇねの言葉が信じられなくて質問を続けます。ねぇねは少しだけ考えるそぶりを見せてから答えてくれました。


「無いこともないけど、買うお菓子も大体決まってるからね。むしろ、何も決めずにスーパーとか行くとなんでも買うか、何買うか悩み続けるかだからスッと入ってサッと出た方が時間にもお財布にも優しいのよ」


 「むしろ」くらいから照れ笑いを浮かべながらのねぇねの言葉に、あたしは変な感動を覚えずにはいられませんでした。

 友人に聞いて驚いたんです。

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