儀式
一月の第二月曜日と言えば成人式です。毎年テレビのニュースで荒れているという話を聞いたりします。
「そもそもなんで成人式何てやらないといけないのかしらね」
今もテレビでもうすぐ成人式と言う話題が上っていたためか、ねぇねがいち早く反応してそう言います。
「祝日を作って休みたい奴がいるからだろ」
ねぇねの言葉にお兄ちゃんがいち早く答えます。その声はとても棒読みのようで、ねぇねから呆れたと言わんばかりのため息が漏れていました。
相変わらずと言うか何というかお兄ちゃんらしくはあると思います。ふと、冬ちゃんの方を見るとクスクスと笑っていました。
「じゃあ、結婚式はどうだっていうの?」
「女の人が結婚式の存在に疑問を持つってどうなんでしょう?」
ねぇねの言葉に冬ちゃんがそう言います。ねぇねは特に嫌な顔をすることはなく口を開きます。
「確かに結婚式に憧れとかないと言えば嘘になるんだけどね。でも、婚姻届を出した時点で結婚したことにはなるでしょ? そうなると別にわざわざ大金掛けて式する必要とかあるのかなって思ってね」
あたしとしてはやっぱりウエディングドレスを着たいので是非結婚式はやって欲しいのですが、ねぇねの中だとそれだけではいけないみたいです。
「まあ、成人式は大人になったと、結婚式は結婚したんだと自覚するためにやるんだろ?」
お兄ちゃんの言葉にねぇねは納得したように何度か頷きましたが、すぐに首をかしげてしまいます。
「でも、成人式でニュースになってる人って大人になったと自覚してる人には見えないわよね」
「あー……」
お兄ちゃんの何とも言えない声が部屋に響きました。
自分で意味を考える。大事。でも、意味ないと思って行かないとそれはそれで後悔します。




