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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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クリエイト

「調べる程にどうしてわからなくなるのかしらね」


 お正月ムードも一段落して、学校も始まった頃、いつものようにやって来ていたねぇねがそう言いました。


 食卓のテーブルに頬っぺたを押し付けているかのようなその姿勢はいじけているようにも、疲れきっているようにも見えます。


「何かあったんですか?」


 とりあえず、話を聞かないことには始まらないのでねぇねの近くまでいって顔をのぞきこむように尋ねます。


 こんなときお兄ちゃんならきっとあたしよりもちゃんと話を聞いてあげられると思うのですが、それを期待しても仕方が無いことは流石にもうわかりました。


「要するに、洞窟照らしたら迷路みたいになってて、しかも進めば進むだけ複雑になるんだろ?」


 どこからかやって来たお兄ちゃんがそう言いますが、何を要したのでしょうか? でも、ねぇねは頷いているのであながち間違っていないのでしょう。


「えっとね。例えば歌の歌詞を書こうと思うでしょ? 最近では素人でも多くの人が作ってるから割りと簡単に出来るんじゃないかって気がしてたんだけど、いざ作ってみようと調べて見ると次々にわからないことが出てきちゃうのよ」


 そう教えられてようやくあたしも何となく理解することができました。それからお兄ちゃんのたとえ話も。


「でも、迷路なら片方壁にずっと手を当てて歩けばいつかはゴールに辿りつくんじゃないですか?」


 上手く説明できる気がしなかったのでお兄ちゃんの言葉を借りてそう伝えました。ねぇねはあたしの頭をなでると「そうよね」と言ってくれました。


「まあ、ゴールまで行かなくてもある程度で十分なんとかなるだろ」


 「そうなんだろうけどね」と、ねぇねはお兄ちゃんの言葉を受け入れがたいと言った様子でした。

 どんなことでも、その道に覚えがないとある程度のレベル以上は一緒に見えてしまう不思議。

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