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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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帰り道

 大学からの帰り道。一番確実に行けるからと最初の年の最初の一か月だけ使っていた道を何となくとおって帰ろうと思った。


 何となくなんて言っても、実際には信号の待ち時間が面倒だったから何て理由があったりするわけで、寧ろ何となく信号を待ちたくなかったから別の道を通っただけなのだが。


 十二月も半ばになって寒さも一段と酷になってきた。外で吐く息が白いのは解るのだが、ともすれば朝晩家の中でも息が白くなるのは勘弁してほしい。


 曖昧な記憶を頼りにのんびりと道を歩いているとふと記憶にない道が姿を見せる。


 記憶だと曲がるしかなったはずの道に細いけれど確かに真っ直ぐ行くことのできる道ができている。


 それを見て、子供のようにわくわくしている自分がいることに私自身驚いた。この道の先には何があるのだろうかと、考えずにはいられない。


 しかし、それと同時に別にその道を通ろうと思わない自分もいる。その道の先を知ってしまえばこのわくわくが無くなってしまうから、なんてそんな詩的な理由ではなくやはり面倒だから。


 昔の自分ならこの道の探検に意気揚々と出かけていたのかもしれないと考えながら知っている道へと足を進める。しかしその途中で昔の私はそんな子供ではなかった事を思い出す。昔の私なら気が付くこともなく知っている道に足を進めていただろう。


 だいぶ歩いてまた知らない道を見つけた。その道の続く方向的に恐らくあの道の出口と言ったところか。何となく枯れ尾花を見た様な気持ちでその道に背を向けた。

わくわくしながらスルーする。なんかそんなことばかりです。

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