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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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松島

「松島や、ああ松島や、松島や」


 夕ご飯を食べながらあたしとねぇねとお兄ちゃんで話していると、ねぇねが急にそんなことを言いました。有名な俳句だとは思いますが、何故ねぇねがこんなことを言い出したのかはあたしにはわかりません。


「松尾芭蕉が詠んだって言われてるやつだな」


 お兄ちゃんは特に考えることもなくそう返します。ねぇねはお兄ちゃんの言葉にうなずくと口を開きます。


「それなんだけどね。どう考えてもこの俳句って……」


「手抜きって言いたいのか?」


 それはあたしも少し思っていたことなので、お兄ちゃんの言葉が胸に刺さります。しかし、ねぇねはそうではないらしく首を振りました。


「あまりの感動に言葉を失って……って言うのは解るのよ。どうしても言葉で表現できない事ってあると思うから」


 ねぇねはそこまで言うと、一度話を区切ってからもう一度話し始めます。


「でも、例えば現代において本当に感動して『なんとかや、ああなんとかや、なんとかや』って詠んだとしても、それこそ手抜きって言われても仕方ないじゃない?」


 もしもその句を知らない人が詠んだとしても、むしろただの真似っこにしか受け取られないと思います。そう考えると何というか……


「昔っから早い者勝ちなんですね」


「ね、妹ちゃんもそう思うでしょ?」


 あたしがつぶやいた言葉にねぇねが食いついてきて少し驚きましたが、ねぇねが言いたかったのはこういうことなのかと納得しました。


 そうしてあたしとねぇねの考えが重なったところでお兄ちゃんがぽつりと言います。


「ま、その俳句松尾芭蕉作じゃないらしいけどな」


「え……」

会話文で終わってみるテスト。四コマ漫画ならありな気がするのですが小説だとどうなのだろう……

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